やじうまの杜
「Excel」で「パックマン」!? ~マイクロソフトが「普通でない」エクセルの使い方を紹介
「Excel」を使いこなすeスポーツ大会まで開催
2022年8月12日 08:00
表計算ソフトの代表格である「Microsoft Excel」。いまやビジネスに必須のソフトとして知られ、日々の仕事でデータを処理するためにさまざまな数式や関数、テクニックを使いこなせないといけませんよね。
そんなビジネスシーンでしか使われない印象の「Excel」ですが、なんと「Excel Esports」という財務モデリングの能力などを競い合うeスポーツ大会が開催されており、8月5日にはアメリカのスポーツ専門チャンネル「ESPN」で、8人のスタープレイヤーが戦うイベント「Excel Esports: ALL-STAR BATTLE」が放送されたのだとか。「League of Legends」や「FIFA」といった著名な競技タイトルのラインナップの中に「Excel」がいる。どうやら時代は変わりつつあるようです。
さて、上記のような「Excel」の活用例はなにも珍しいことではないようです。「Excel」の提供元であるMicrosoftもこうした面白い動きをご存じのようで、8月6日(現地時間)に「Unusual Uses of Excel」と題したブログ記事で紹介しております。「Unusual(普通でない)」としているところにちょっと皮肉を感じてしまいますが……。今回はその中でも「PACELLMAN」を編集部で試してみました。
「PACELLMAN」は、Excelのワークシートで「最も成功した業務用ゲーム機」としてギネス認定された、あの世界的に有名なゲーム「パックマン」を再現したものです。ソフトの名前はエクセル(Excel)とパックマン(Pac-Man)、合わせて「パッセルマン(Pacellman)」なのです。近田伸矢(Nobuya Chikada)氏によって2006年に公開されたソフトで、すでに本ソフトを知っているよという読者様もいらっしゃるかもですね。当時は「Excel 2003」向けに移植されたものでしたが、現在でもGitHubで公開されており、プレイすることだってできちゃいます。
ただし、64bit版のWindowsで動かすには、リボンの[開発]タブから「Visual Basic Editor」を起動して、「Declare」ステートメントに「PtrSafe」属性を付与する必要があります。具体的には、ツリーから[標準モジュール]-[Module1]を開き、赤字で表示されているテキストの「Declare」と「Sub」か「Function」の間に「PtrSafe」と入力すればOKです。
「PACELLMAN」は、VBAアクションゲームに分類されます。「VBA(Visual Basic for Applications)」とは、「Excel」をはじめとしたOffice製品で利用できるプログラミング言語のことです。「Excel」上で遊べるVBAマクロとして実装されているゲームは、なにも「PACELLMAN」だけではありません。歴史シミュレーションから弾幕シューティングまで、さまざまなジャンルのゲームが公開されています。
いくつかのソフトは弊誌でもレビューを掲載しておりますので、気になるソフトがあったら今年のお盆休みにぜひプレイしてみてくださいね。ただし、VBAマクロはモバイルデバイスやオンラインアプリ版「Excel」では実行できないのでご注意を。
Microsoftの記事では他にも「Excel」の変わった使い方を紹介しています。写真をスプレッドシートに変換するユーザーや、Excelを描画キャンバスとして使用しているユーザーも多いそうですよ。
「Excel」はただの方眼紙にあらず! ビジネスシーンのみにとどまらない「Excel」の奥深い世界をぜひ楽しんでみてください。
ちなみに、我こそは「Excel」の異端児という方、その独創的な使い方を競うコンペティションも開催されますよ。何だったら弊誌でぜひアピールを! それではまたお会いしましょう。