やじうまの杜
止めると背景に溶けちゃう…… 人間に読めてAIには読めない“反AIフォント”「Ghost Font」
文字を「動き」で描く実験プロジェクト。スクショしても浮かび上がるのは“おとり”だけ
2026年7月14日 06:24
「やじうまの杜」では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
AIになんでも読み取られてしまう時代、人間にだけメッセージを届ける方法はないものか――そんな実験プロジェクト「Ghost Font」が、「はてなブックマーク」(はてブ)で少し話題になっていました。
「Ghost Font」は、人間には読めるけれどAIには読めないという“アンチAIフォント”。プレイグラウンドで好みのメッセージを入力すると、ドットが流れてメッセージが浮かび上がってくる“ゴースト メッセージ”を生成できます。このメッセージはMP4形式の動画ファイルとしてローカルへダウンロードすることが可能。処理はすべてローカルで行われ、入力したメッセージがサーバーへ送信されることはないそうです。
この“ゴースト メッセージ”のキモは、文字を形ではなく“動き”で描いていること。動画を一時停止して“動き”を止めてしまえば、メッセージは再びドットの背景に沈み込んでしまいます。ただの1フレームからは、なんのメッセージも読み取れません。つまり、スクリーンショットを撮ってAIに渡しても無駄というわけです。
とはいえ、コードを実行できるAIエージェントなら、ドットの動きを解析して解読できてしまうかもしれません。そこで「Ghost Font」は、生成する動画すべてに“おとり”のメッセージを仕込むという二段構えを採用。隠しメッセージを探しにきたエージェントは、まずおとりの方を発見して「これが答えだ」と満足してしまうのだとか。実際、動画を「Claude Fable」(Max推論)や「GPT Sol 5.6 Ultra」といった最新鋭モデルに渡してもおとりに引っかかり、「ChatGPT 5.5 Pro」に至っては19分の分析の末、存在しないメッセージをハルシネーション(幻覚)したそうです。
作者によると、このプロジェクトの原点は2013年にデザイナーのSang Mun氏が発表したフォント「ZXX」にあるのだそう。このフォントにはノイズや取り消し線で文字をカムフラージュし、当時のOCRソフトには読めない“監視対策”を施したバリエーションがあり、当時話題になりました。しかし、現代のAIモデルは「ZXX」フォントの文字を難なく読んでしまうそうで、それを克服する方法が編み出されたというわけです。
もっとも、「Ghost Font」は厳密にはフォントファイル(TTFなど)ではありません。あくまでもコンセプトの実験といった位置付けで、いわばお遊びのようなものです。しかし、AIに突破されがちな「CAPTCHA」(人間であることを証明するための認証)への応用なども面白いのではないかと構想している様子。先日紹介したイラストを“チカチカ動画”にしてAI学習を阻害するツールといい、“動き”の認識はまだ人間に残された数少ないアドバンテージなのかもしれませんね。
















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