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「ペイント 3D」は“非推奨”となった「ペイント」の代わりとして使えるのか?
「ペイント 3D」は“3D専用”じゃない、“3Dも扱える”「ペイント」アプリだ!
2017年8月15日 06:15
30年以上にわたりWindows標準ツールとして愛されてきた「ペイント」アプリが、とうとう次期機能アップデート「Windows 10 Fall Creators Update」で“非推奨”となることが明らかになりました。
これから“ストア”から入手して利用することはできますが、OSには同梱されなくなるようです。今後は後継の「ペイント 3D」を利用することが推奨されています……が、果たして「ペイント 3D」は「ペイント」の代わりとして使えるのでしょうか。
「ペイント 3D」は「ペイント」の代わりとして使える?
「ペイント 3D」は、名前だけ見ると“3D専用”と勘違いしそうですが、実は2Dも扱えます。つまり、“3Dも扱える”「ペイント」アプリなのです。それでは実際に機能を比べてみましょう。
ツールとブラシは実質的に上位互換、テキストでは“3D テキスト”が利用可能に
「ペイント」では6種類のツールと9種類のブラシを選ぶことができます。
一方、「ペイント 3D」では[アートツール]タブから10種類のツールが選択可能です。これには“テキスト”と“拡大鏡”が含まれていないので(同等の機能は備わっています)、「ペイント」での数え方に合わせると12種類ということになります。
少し減っているようにも見えますが、「ペイント 3D」では“素材”を4種類(つや消し・光沢・くすんだ金属・磨かれた金属)選べるので、実質的には上位互換と言えるでしょう。ルーラーやグリッド線を表示する機能がないのでドット絵の編集は少し苦手ですが、[ピクセル ペン]の大きさを“1ピクセル”にすれば一応対応は可能です。
なお、テキストの追加は[テキスト]タブから行えます。「ペイント 3D」では上下左右だけでなく、奥行きの移動も可能な“3D テキスト”が利用できます。
利用できる図形は28種類に増加
「ペイント」では23種類の図形が選択可能で、輪郭(アウトライン)と塗りつぶしに7種類の効果を設定できます。
一方、「ペイント 3D」では[ステッカー]タブから28種類の図形が選択可能です(最近、直線と曲線が4種類追加され、「ペイント」と遜色のないラインナップになりました)。輪郭(線)と塗りつぶしも可能です。ただし、輪郭と塗りつぶしの効果は用意されていません。
その代わり、「ペイント 3D」は4種類の“素材”効果を適用することが可能。不透明度を設定できるのも「ペイント 3D」の利点と言えます。ぺたぺたと複製できる[スタンプ]ツールや、3Dモデルへ変換する機能も「ペイント 3D」ならではですね。
「ペイント 3D」ならではの機能
以上、「ペイント」と「ペイント 3D」を比べてみましたが、ほぼ同等の機能を備えている上、各所に改善が盛り込まれており、おおむね「ペイント 3D」が「ペイント」の上位互換になっているのがわかると思います。操作性が大きく変わっているので慣れるのは大変かもしれませんが、それだけの価値があるアプリだと感じました。
それでは、最後に「ペイント 3D」ならではの機能をいくつか紹介して締めくくりとしてさせていただきましょう。
まず、[アート ツール]画面などで[選択]コマンドを選びます。次に矩形選択で被写体を選択。すると、サイドパネルに[マジック選択]というコマンドが現れるので、それをクリックしてみましょう。すると、輪郭を自動で検出して被写体を選択してくれます。うまくいかない場合は、追加・削除コマンドで足りない部分を加えたり、余計な部分を削ってみてください。[完了]ボタンを押すと、選択した被写体がモリッと“浮き出”ます。
これで被写体を上下左右だけでなく前後に移動できる“3D モデル”に変換することができました。グリグリ動かして楽しんでください。被写体がいなくなった部分の背景が自動で補われているのもポイントです。
さらにサイドパネルの[ステッカーの追加]コマンドを選択すれば、被写体を[ステッカー]に追加することも可能。[スタンプ]ツールで増殖させることもできます。
これらの編集過程は、[履歴]コマンドでビデオとして保存することも可能。作品が完成するまでの様子が見られるのも「ペイント 3D」の面白いところだと思います。