特別企画

Windows 8に対応した「EmEditor Professional」v12

タッチ操作に対応、“トースト”を活用したテキスト送信機能を追加

(12/10/11)

「EmEditor Professional」v12「EmEditor Professional」v12

 Windows向けテキストエディターの一角を担う「EmEditor Professional(以下、「EmEditor」)。時代の流れとともに度重なるバージョンアップが行われ、先月9月27日にv12の正式版が公開された。v12では、10月26日に発売される次期OS、Windows 8に対応。本企画では、最先端を追い続ける「EmEditor」の最新機能を確認していく。

Windows 8に対応

 いち早くWindows 8に対応した「EmEditor」。“Windows ストアアプリ”ではなく従来同様のデスクトップで動作するがタッチ操作が可能。タッチ入力に対応するデバイス上では、スクロールやフォントサイズの変更、そのほか切り取りやコピー、貼り付けといった各種編集操作を行える。また「EmEditor」は、マイクロソフトによるWindows 8認定テストに合格し、Windows 8互換ロゴを取得している。

 さらにWindows 8の“トースト”と呼ばれる通知機能を活用できるテキストの送信機能が追加された。本機能を使えば、「EmEditor」上で選択した短いテキストをイントラネット内で「EmEditor」を利用しているほかのパソコンへ送信することが可能。もちろん本機能は、Windows 8以外の環境でも利用可能だ。

 本機能を利用するには、あらかじめ「選択テキストを送信プラグイン」を導入しておく必要がある。

 ダウンロードした圧縮ファイル内にある“SendText.dll”を「EmEditor」のインストールフォルダにある“PlugIns”フォルダへコピーすれば導入完了だ。

 プラグインを導入したら、「EmEditor」上で送信したいテキストを範囲選択して本プラグインを実行しよう。するとイントラネット内のコンピューター名が一覧表示されたウィンドウが開くので、送信したいコンピューター名を選択して[OK]ボタンを押せば送信完了。また、すべてのコンピューターへ送信することも可能。

“トースト”でテキストの受信を通知“トースト”でテキストの受信を通知

Windows 8以外のOSではポップアップで通知されるWindows 8以外のOSではポップアップで通知される

 テキストを受信するとWindows 8では“トースト”による通知、それ以外のOSではタスクトレイアイコンからポップアップが表示される。それらをクリックすると、受信したテキストを「EmEditor」で新規に開ける。Windows 8では“Windows ストアアプリ”を利用している場合でも通知が表示され、クリックすれば“デスクトップ”で「EmEditor」を開ける。またタスクトレイアイコンの右クリックメニューにある[最後のメッセージを表示]項目からテキストを開くことも可能。

 なお、本機能で送信できるテキストの長さには制限があり、長すぎるテキストを送信しようとした場合は警告ダイアログが表示される。また、テキストを受信する側は「EmEditor」がインストールされており、かつ「EmEditor」をタスクトレイに常駐するように設定しておく必要がある。ただし、本機能はメッセージを受信するだけであればプラグインを導入する必要はないようだ。

XHTML/XMLファイルにおけるタグの強調表示

タグの強調表示タグの強調表示

 XHTML/XMLファイルを編集する際に、カーソル位置にあるタグと対応するタグの内側を自動的に強調表示する機能が追加された。本機能はタグが正しく整形された文書のみ有効で、閉じタグが省略された文書では動作しないことがある。

 また、[対応するタグへ][選択範囲を対応するタグへ]といったショートカットキーを新たに実装。[Ctrl]+[.]キーでキャレット位置にあるタグと対応するタグ間を行き来できるほか、[Ctrl]+[Shift]+[.]キーでキャレット位置にあるタグと対応するタグの内側を範囲選択することが可能となっている。

強化されたブックマーク機能とマーカー機能

検索したキーワードを含む行をブックマーク検索したキーワードを含む行をブックマーク

2つのファイルの比較結果をブックマーク2つのファイルの比較結果をブックマーク

 既存機能の強化も図られている。たとえばブックマーク機能では、検索したキーワードを含む行をブックマークしたり、2つのファイルを比較した際に、比較結果の異なる行をブックマークすることが可能となった。また、ブックマークした行を削除したり、ブックマークした行を抽出して新規ファイルを作成することも可能。

マーカー機能の使い勝手も改良マーカー機能の使い勝手も改良

マーカーに追加したテキストを置換できるマーカーに追加したテキストを置換できる

 マーカー機能の使い勝手も改良されている。テキスト本文の右クリックメニューから選択したテキストを追加できるだけでなく、マーカーを削除することも可能となった。またマーカーツールバーに追加したキーワードの右クリックメニューに[置換]項目が追加され、マーカーに追加したテキストを手軽に置換できる。

そのほかの改良点

 そのほか「EmEditor」起動時の処理が最適化され、“マイ マクロ”を登録している環境での起動が高速化されたほか、ツールバーに[戻る][進む]ボタンを追加できるようになった。また、マウスの右クリックを押しながらマウスホイールの回転でタブを切り替えられるオプションが追加された。

“スニペット プラグイン”をはじめ各種プラグインも改良“スニペット プラグイン”をはじめ各種プラグインも改良

 各種プラグインについても改良が行われている。たとえば“スニペット プラグイン”では、スニペットのツリー内で切り取り、コピー、貼り付けの操作を行うことが可能。また、スニペットのツリーの各項目にマウスカーソルを合わせることで、スニペットのテキストをツールチップで表示できるようになった。なお本機能を有効にするには、スニペットのツリー内の右クリックメニューにある[表示]-[ツールチップ]項目にチェックを入れておく必要がある。

「EmEditor」のライセンスについて

 「EmEditor」のライセンスは、通常4,200円(税込み)となっている。このライセンスでは、たとえばv12.0.2からv12.0.3のようなマイナーアップデートは無償で行えるが、v12からv13のようなメジャーアップデートは有償となる。ただし、ライセンス購入から90日以内のメジャーアップデートは無償で行える。また、年会費40,000円の“プレミアム サポート”を受けている場合も無償でメジャーアップデートが可能。

 これに加えて、9月22日より“永久ライセンス”が販売されている。“永久ライセンス”は12,200円(税込み)で、メジャー・マイナー問わず永続的に無償でアップデートを行える。ただし2011年10月31日までに「EmEditor」を製品登録したユーザーは、すでに“永久ライセンス”が付与されている。

 なお、今後Windows 8のいわゆる“Metro”と呼ばれるスタイルのアプリや、そのほかのOS向けのテキストエディターが開発された場合は、現在提供されている「EmEditor」向け“永久ライセンス”では使用できないとしている。

(加藤 達也)