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国土地理院、九州豪雨の被災状況をドローンで撮影した映像を公開
ドローンを活用した測量を推進するための組織“ランドバード”の成果
2017年7月10日 15:35
国土交通省の国土地理院(GSI)は10日、台風3号および梅雨前線による九州地方の大雨で被った被害状況を把握するため、“国土地理院ランドバード”を派遣してドローン(UAV)による撮影を実施したことを明らかにした。撮影された映像は、国土地理院のWebサイトで公開されている。
“国土地理院ランドバード(GSI-LB)”は、ドローンを活用した測量を推進するためのチーム。ドローンに精通した技術者を育成したり、災害時に現場で必要な撮影や測量を行うための組織だ。災害時は必ずしも現地踏査が行えるわけではない。また、悪天候での活動を余儀なくされることも十分想定されるため、それらに備えたドローン技術の研究や蓄積、共有は重要となる。
今回公開された映像は、福岡県朝倉市や大分県日田市をはじめとする被害現場のもの14点。そのほかにも、ドローンにより判読された被害現場をプロットした地図や、東峰村および久大本線橋脚の流出箇所周辺の詳細な地形を把握できる陰影段彩図、航空カメラで撮影された空中写真を補正して誤差をなくした“オルソ画像”、被災前後の比較した写真、ヘリで撮影した画像を用いCG処理を施した3Dモデルなどが公開されている。
これらの映像は、現地の被災状況を心配する国民へ直接情報を提供したり、関係諸機関が今後の対応を検討する上での資料とするために公開されている。出典さえ明記すれば、国土地理院のコンテンツ利用規約の範囲で、転載なども自由に行えるという。