「Clang」互換版を追加 ～無償コンパイラー「Embarcadero C++ Compiler」の最新版

「Embarcadero C++ Compiler」v10.2.3

　米Embarcadero Technologiesは10日（日本時間）、Windows向けに無償提供しているC++コンパイラー「Embarcadero C++ Compiler」の最新版v10.2.3を公開した。同社の最新IDE「C++Builder 10.2.3 Tokyo」に搭載されているものと同等で、「Clang」と同じコマンドラインインターフェイスを備えた新しいコンパイラー「bcc32x」を新たに搭載しているのが特徴だ。

　「Embarcadero C++ Compiler」は、Embarcaderoの前身であるBorland時代から無償で提供されているWin32アプリ開発向けのコンパイラー。C++言語の入門者にも人気で、日本国内では月間1,000回以上のダウンロードを誇る。

　今回リリースされた最新版では、従来のコンパイラーと同じインターフェイスを持つ「bcc32c」に加え、「Clang」と同じインターフェイスを備えた「bcc32x」が含まれている。幅広く利用されている「Clang」と共通のインターフェイスを備えることで、それを前提としたツールチェーンに「Embarcadero C++ Compiler」を簡単に組み込めるようになる。

　なお、「Embarcadero C++ Compiler」の無償提供は学生や入門者を主な対象としており、利用は個人用途に限られるほか、開発ターゲットがWin32に制限されているので注意したい。64bitアプリケーションやiOS/Androidにも対応したクロスプラットフォーム開発には、上位の有償版を購入する必要がある。