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「Small Basic」がWebでも動作 ~“Small Basic Online”がパブリックプレビュー

オンライン版はJavaScript製でエディターも完備。デスクトップ版との統合も視野に

“Small Basic Online”

 米Microsoftは8月28日(現地時間)、初心者向けプログラミング環境「Small Basic」のオンライン版“Small Basic Online”を一般向けにプレビュー公開した。Webブラウザーさえあれば、MacやLinux、Androidなど、「Small Basic」アプリを導入できない環境でも「Small Basic」を楽しむことができる。

 「Small Basic」は、Microsoftが子ども向けに開発したプログラミング言語の開発・実行環境。学習の容易さに定評のある「BASIC」言語をベースに一部の煩雑な仕様を取り除いた簡易版で、亀を自由に動かして軌跡で絵を描ける“Turtle”オブジェクトや、写真共有サイト“Flickr”を利用できるオブジェクトを使いながら、実用的なプログラミングを楽しみながら習得できる。作成したプログラムは、本ソフト上で実行するだけでなく、オンラインギャラリーへアップロードして公開・共有することも可能。他のユーザーの作品をダウンロードして動かすこともできる。

 今回リリースされた“Small Basic Online(www.smallbasic.com)”は“バージョン 0.9”と位置付けられており、オンラインギャラリーと接続されていない、Macで実行結果が表示されないといった問題は残っているものの、すでにコードの編集と実行は行える状態に仕上がっている。開発にはJavaScriptや「Monaco Editor」(「Visual Studio Code」などで採用されているエディターコンポーネント)が利用されており、将来的にはデスクトップ版とオンライン版のソースコードを統一・公開することも視野に入っているようだ。“Small Basic Online”のソースコードはすでに“GitHub”上で公開されている。

JavaScriptや「Monaco Editor」で開発されたエディター・実行環境

 コードベースの統一は“バージョン 2”が目標で、その前に“Small Basic Online”の正式版(バージョン 1)と、デスクトップ版「Small Basic」のv1.3(現行版はv1.2)がリリースされる予定。デスクトップ版「Small Basic」v1.3では、バージョンが先行しているストア版「Small Basic」で見つかった不具合の修正と、3つの言語サポート、コーディングヘルプの追加などが行われる見込みだ。

 “Small Basic Online 2”と「Small Basic 2」アプリが無事にリリースされたあとはチュートリアルの拡充、「Minecraft」などと連携する拡張機能、JavaScriptへのエクスポート、モバイルアプリの追加などが計画されているとのことだが、これらの実現は少し先の話になりそうだ。