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「Firefox 68」が正式公開 ~アドオン管理を改善、新しい拡張機能との出会いの場に
サイドバーまで黒い“リーダー ビュー”やWindows版アップデーターへの“BITS”採用も
2019年7月10日 10:30
Mozillaは7月9日(米国時間)、デスクトップ向け「Firefox」の最新版「Firefox 68」を正式公開した。本バージョンは、「Firefox Quantum」ブランドを冠した12番目のメジャーリリース。企業向けの延長サポート版「Firefox ESR」も「Firefox 68」ベースへと切り替わる。
サイドバーまで黒くなる“リーダー ビュー”
“リーダービュー”は、記事のヘッダーやサイドバーなどを取り払って本文だけを読みやすく表示する機能。アドレスバーに[リーダー ビュー]アイコンが現れるページで利用可能で、テーマやフォント、文字の大きさや間隔などを自分好みにカスタマイズできる。
「Firefox 68」では“リーダー ビュー”の“ダーク”テーマがアップデート。従来はコンテンツ領域だけが“ダーク”になっていたが、最新版ではサイドバーやツールバーまで黒くなる。OSの設定とは連動しないようだが、「Firefox」と“リーダー ビュー”の両方をダークモードにすれば画面全体が黒基調に統一され、コンテンツに集中できるようになる。
拡張機能のセキュリティを向上。新しいアドオンも見つけやすく
また、「Firefox 68」では“アドオン マネージャー”も強化されている。それぞれの拡張機能に付随していた[無効化]や[削除]といったコマンドは、[報告]や[他のオプション]などのコマンドとともに[…]メニューへ整理された。[他のオプション]コマンドで拡張機能の詳細画面へアクセスすれば、当該拡張機能にどのような権限が許されているのかを一覧することもできる。
さらに、新しい拡張機能と出会える“おすすめの拡張”セクションが拡張機能のリストに統合された。このセクションでは、ユーザーが日頃「Firefox」をどのように利用しているのかという統計データをベースに、「Firefox」をより便利にしてくれる拡張機能を自動で推薦してくれる。拡張機能のユーザー数と評価も併せて表示されるので、導入するかどうかを判断する助けになる。とくに優れた拡張機能にはトロフィーの形をした“おすすめ”アイコンが表示されるので、それを目安にしてもよい。
そのほかの機能強化
「Firefox 68」は新しい「Firefox ESR」のベースとなるバージョンでもあるが、それに併せてかポリシーの拡充が行われている。「Firefox」を組織展開する際、管理者側で集中管理できる機能が大幅に増えた。
セキュリティ関連では、カメラとマイクへのアクセスにはHTTPS接続が必要になった。ウイルス対策ソフトウェアに起因するHTTPSエラーが検出されると、自動で修復を試みる機能も導入されている。
そのほかにも、Windows版では「Firefox」のアップデートにOSの“バックグラウンド インテリジェント転送サービス(BITS)”が利用されるようになった。これは“Windows Update”や“Microsoft Store”の更新にも使われている仕組みで、「Firefox」が閉じられていてもアップデートのダウンロードを続行できる。また、「Firefox 67」で導入された“Quantum”改革の目玉「WebRender」が、AMD製グラフィックスカードでも有効化された。
セキュリティ関連の修正
なお、本バージョンにはセキュリティ関係の修正も含まれているので注意。Mozillaが公開したセキュリティ情報によると、今回修正された脆弱性はCVE番号ベースで21件。深刻度の内訳は、Mozillaの基準で4段階中上から最高の“Critical”が2件、上から2番目の“High”が4件、上から3番目の“Moderate”が10件、最低の“Low”が5件となっている。
デスクトップ向け「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 7/8/10に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。