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Mozillaが“Test Pilot”を復活、VPNサービス“Firefox Private Network”をベータ公開
まずは米国のデスクトップ版「Firefox」ユーザーを対象に無償で実施
2019年9月12日 15:36
Mozillaは9月10日(米国時間)、新機能のテストプログラム“Test Pilot”を復活させ、VPNサービス“Firefox Private Network”をベータ版としてリリースした。まずは米国のデスクトップ版「Firefox」ユーザーを対象に無償で実施される。
“Test Pilot”プログラムは、かつてMozillaが「Firefox」に搭載を検討している新機能をテストするために展開していた施策。残念ながら今年1月をもって終了してしまったが、「Firefox」のスクリーンショット機能や簡単ファイル共有サービス“Firefox Send”に活かされている。
今回アナウンスされた“Firefox Private Network”は、見過ごされがちな公衆Wi-Fiの“隠れたコスト”から守ることを目的としている。
無料で開放されている公衆Wi-Fiは大変便利だが、その一方で通信の盗聴や個人情報の収集に悪用される危険性もある。仮想プライベートネットワーク(VPN)を介し、通信を暗号化してインターネットへ接続すればこれらの脅威は緩和できるが、ユーザーが個人でVPNを運用するのは難しく、コストがかかる。既存のVPNサービスを利用するという手もあるが、提供者を信頼できるかという問題が残る。
その点、オープン性と透明性に定評のあるMozillaならば安心だ。“Firefox Private Network”は「Firefox」アドオンとして提供されており、ボタンを押すだけで手軽にON/OFFできるのもメリットといえるだろう。将来的に有償サービスとして軌道に乗れば、Webブラウザーからの検索による収益に頼るMozillaにとって、貴重な収益源ともなりえる。米国以外への展開にも期待したい。