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集中型バージョン管理システム「Apache Subversion」プロジェクトが20周年を迎える

300のApacheプロジェクトで数百万行のコードを管理、今後もコラボレーションを支え続ける

「Apache Subversion」プロジェクトが20周年を迎える

 The Apache Software Foundation(ASF)は2月27日(米国時間)、「Apache Subversion」プロジェクトが20周年を迎えたと発表した。

 「Apache Subversion」(コマンド名から“SVN”とも呼ばれる)は、ソースコードなどを管理するために広く用いられているバージョン管理システム。リポジトリに追加されたファイルの変更を追跡してそのログを保持し、必要があれば以前のバージョンに巻き戻すことができる。また、リポジトリを分岐させ(ブランチ)、成果があれば本体(トランク、メインブランチ)に統合(マージ)することも可能。実装がうまくいかなければ、ブランチごと破棄してもよい。このようなブランチやマージの仕組みは、複数のメンバーがソースコードを共同管理するチーム開発で効果を発揮する。

 「Subversion」はもともと、「CVS」と呼ばれるバージョン管理システムの問題を解決すべく、2000年にオープンソースプロジェクトとして開発が開始された。Apache財団に参加したのは2009年のこと。翌年2月には、見習い段階に相当する“インキュベーター”からトップレベルプロジェクトに昇格している。

 近年では「Subversion」のような集中型(クライアント・サーバー型)のバージョン管理システムに代わり、「Git」をはじめとする分散型(開発者それぞれがローカルにリポジトリを持つ構成)のバージョン管理システムが主流となっている。しかし、「Subversion」が残っているプロジェクトや、根強く「Subversion」を支持する開発者も少なくない。今後も信頼性が高く、成熟したバージョン管理ソリューションとして、ミッションクリティカルなソースコードの管理とコラボレーションワークフローに広く採用され続けることだろう。

 「Apache Subversion」のライセンスは“Apache License, Version 2.0”。最新版は昨年10月30日にリリースされたv1.13.0で、現在“subversion.apache.org”からソースコードとバイナリを無償でダウンロードできる。