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「Google Chrome 81」がリリース ~TLS 1.0/1.1の削除は「Chrome 84」に延期

VRへの対応強化、アプリアイコンバッジの正式導入、32件の脆弱性修正なども

「Google Chrome」v81.0.4044.92

 米Googleは4月7日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の最新安定版v81.0.4044.92を公開した。「Chrome 81」では“WebXR Hit-test Device”やアプリアイコンバッジといった新要素が追加されている。

 “WebXR Hit-test Deviceは、「Chrome 79」で導入されたVRヘッドセット対応“WebXR Device”を拡張するもの。現実世界の座標やユーザーの目線、深度データによるオブジェクトの遠近などがクロスプラットフォームで扱えるようになり、仮想空間との対話が容易になる。たとえば指定した位置にオブジェクトを配置したり、向きを変えたり、回り込んで裏を見たり、オブジェクトを並べたり、重ねたりできるようになるだろう。

仮想世界と現実世界をより密接に統合する“WebXR Hit-test Device”API

 一方、アプリアイコンバッジは新着情報や未読の件数など、アプリに新しい項目が追加されたことをユーザーに知らせる仕組み。モバイルアプリではお馴染みのものだが、これがデスクトップOSのタスクバーでも実現できる。この機能は“Origin Trial”と呼ばれる仕組みでテストされてきたが、「Chrome 81」以降は安定版としてどのWebサイトからでも利用できるようになった。

モバイルアプリでお馴染みのバッジがデスクトップ版「Chrome」でも利用可能に

 本バージョンで修正された脆弱性は、全部で32件。内訳は同社基準で4段階中上から2番目の“High”が3件、上から3番目の“Medium”が8件、最低の“Low”が12件などとなっている。そのほかにも、内部監査やファジングによって発見されたセキュリティ問題への対応も行われているとのこと。

 なお、本バージョンで予定されていたTLS 1.0/1.1の削除は「Chrome 84」に延期された。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を考慮し、2020年7月まで移行作業が猶予された格好だが、できるだけ早い対応が必要であることには変わりない。

 また、次のメジャーリリース「Chrome 82」はキャンセルされるとのこと。代わりに「Chrome 83」が5月中旬に前倒しでリリースされる予定だ。

 デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows版は、64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10に対応する。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)から手動でアップデートすることも可能。