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Mozilla、「Firefox」に強化型トラッキングの強化版“ETP 2.0”を導入へ

“リダイレクトトラッキング”と呼ばれる高度な追跡手法からユーザーを保護

「Firefox」の“強化型トラッキング防止機能(Enhanced Tracking Protection、ETP)”

 Mozillaは8月4日(米国時間)、“強化型トラッキング防止機能(Enhanced Tracking Protection、ETP)”を強化した“ETP 2.0”を「Firefox」に導入すると発表した。今後数週間をかけて展開していくという。

 “ETP”は「Firefox」に搭載されているプライバシー保護機能。Webサイトをまたいでユーザーの行動を追跡(トラック)するトラッカーCookieや、Webの閲覧中にこっそり暗号通貨の採掘を行う暗号通貨マイニング、断片的情報から個人の識別を図るフィンガープリント(指紋)採取などをブロックし、「Firefox」ユーザーが快適に・安心してWebを利用できるようにするためのものだ。

 “ETP 2.0”はこれを強化・発展させたもので、“リダイレクトトラッキング”と呼ばれる高度な追跡手法からユーザーを保護する。

 たとえば、商品のレビューサイトから通販サイトへジャンプする場合、“ETP”は両者と関係のない第三者(サードパーティー)であるトラッキングサイトにCookieが渡らないようにブロックする。しかし、当事者(ファーストパーティ)サイトのCookieまではブロックされない。Webサイトが壊れてしまう可能性があるためだ。

 “リダイレクトトラッキング”はそこに目を付け、レビューサイトから通販サイトにランディングする際、いったんトラッカーのページを経由させる。そこでロードされるCookieはトラッキングサイトにとってファーストパーティであるため、“ETP”はそれをブロックできない。

いったんトラッカーのページを経由させて追跡を行う“リダイレクトトラッキング”

 この手法に対抗するため、“ETP 2.0”では既知のトラッキングサイトからCookieとサイトデータを24時間ごとに消去する。追跡そのものを完全になくすわけではないが、1日ごとにクリアされるため、何日にもわたって追跡されることは防げる。

 Cookieが削除されるとWebサイトからログアウトされてしまうため、メールサービスやSNSへ頻繁に再ログインしなければならず、利便性が損なわれることが懸念される。しかし、「Firefox」では過去45日以内にやり取りのあるWebサイトであればトラッカーであってもCookieは削除されないため、このようなことは起こらない。ユーザーとのやり取りが発生しないトラッカーのみが対象となる。また、データの削除は「Firefox」のアイドル時に行われるため、ユーザーの利便性は損なわれないという。