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スマホのモバイルアプリをPCから直接利用 ~「スマホ同期」にアプリキャスト機能が追加

新発表の「Galaxy Note20」ならば、年内にも複数アプリの同時実行が可能に

今回発表された「スマホ同期」アプリの“Apps”機能

 米Microsoftは7月29日(現地時間)、「Windows 10 Insider Preview」Build 20185を“Windows Insider Program”の“Dev”チャネルに参加するユーザーに対して公開した。現在、“Windows Update”を介してアップデート可能。また、本ビルドのリリースに合わせ、「スマホ同期」アプリのアップデートも発表された。PCから直接Androidアプリを起動できるようになるという。

 「スマホ同期」(英語名「Your Phone」)は、同じ“Microsoft アカウント”へログインしたAndroid端末へPCからリモートアクセスできるようにするアプリ。スマホで撮影した写真をPCから閲覧・取得したり、SMSを送受信したり、スマホに届いた通知をPCで閲覧・管理できる。対応OSは、「Windows 10 バージョン 1803(April 2018 Update)」以降。Sumsung製の一部スマホでは、PCからスマホの画面を操作できる“スマートフォンの画面(Phone Screen)”機能もサポートされる。

 今回発表された“Apps”機能は“Phone Screen”をさらに発展させたもので、スマホのスクリーン全体ではなく、アプリを個別に起動してWindows 10 PCへキャストすることができる。スマホにインストールされたアプリを直接呼び出すため、PC側で改めてアプリのインストールや初期設定を行う必要はない。スマホで利用中のアプリとは異なるアプリをPCで使えるうえ、搭載されたキーボードやマウス、ペン、タッチスクリーンでまるでネイティブアプリのようにPCで快適に操作できる。よく利用するモバイルアプリを「スマホ同期」アプリの“お気に入り”に登録したり、Windows 10の[スタート]画面ややタスクバーにピン留めして起動することも可能だ。

スマホのモバイルアプリをPCから直接利用。キーボードやマウス、ペン、タッチスクリーンでまるでネイティブアプリのように操作

 たとえば、「LINE」アプリはスマホに紐づけられており、基本的にそのスマホでしか使えない。PC版「LINE」アプリを使えばPCでも1台だけ同じアカウントで利用できるが、使えるようにするまでのセットアップが面倒だ。しかし、この“Apps”機能を利用すれば、PCとスマホをリンクさせるだけで、スマホの「LINE」アプリをPC側から呼び出せるようになる。スマホに先行導入される新機能もPCで一足先に楽しめるし、データがPC・スマホで分断されることもない。

 欠点は、システム要件が厳しいことだろう。まず、PC側は「Windows 10 October 2018 Update」以降へアップグレードしている必要がある。スマホ側は「Android 9.0」以降を搭載した“Samsung Galaxy”シリーズでなければならない。また、PCとスマホは同じWi-Fiネットワークに接続しておく必要がある。

 さらに、一部のアプリではキャスト機能がブロックされ、黒い画面が表示されることがある。アプリからの音声は現在のところ、PCではなくスマホから再生される。また、ゲームやアプリによってはPCのマウスやキーボードに反応しないことがあるため、その場合はタッチパネルを利用しなければならないようだ(タッチ非対応PCでは操作できなくなる)。

 とはいえ、新発表された「Galaxy Note20」(参考記事)では年内にも複数アプリの同時実行がサポートされるなど、将来性を感じさせる機能であるのは確かだ。今後の改善に期待したい。

 MicrosoftはSumsungとの提携を深めており、生産性アプリや“Xbox”サービスと“Galaxy”シリーズの連携をさらに強化していく考えだ。