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「Zoom」v5.4.0がリリース ~E2E(エンドツーエンド)暗号化がテクニカルプレビューに
Windows版には音質向上のための新機能。バーチャル背景をサポートするCPUの要件も緩和
2020年10月27日 10:34
米Zoom Video Communicationsは10月26日(現地時間、以下同)、ビデオ会議サービス「Zoom」クライアントアプリの最新版v5.4.0を公開した。現在、Windows、Mac、Androidでマニュアルでのダウンロードとアップデートが可能。iOS版もストアで承認され次第利用できるようになる。
「Zoom 5.4.0」の目玉は、ミーティングのエンドツーエンド(E2E)暗号化がテクニカルプレビューとして利用可能になったこと(アカウント単位でデフォルト無効化)。E2E暗号化は主催者(ホスト)が暗号化キーを生成し、公開鍵暗号技術を用いて参加者に配布する。そのため、会議を中継する「Zoom」のサーバーですらその内容を復号することはできず、第三者に盗聴される心配がない。
なお、この機能は必要に応じてミーティングごとに有効化できるオプション機能となっている。ミーティングの設定画面を確認し、暗号化の設定が“エンドツーエンドの暗号化”になっていることを確認しよう。ミーティング時にE2E暗号化が有効になっているかどうかは、画面左上のシールドアイコンから確認できる。
また、すべての参加者がデスクトップクライアント、モバイルアプリおよび「Zoom Rooms」のいずれかから参加している必要があるため、一部のデバイスや「Zoom SDK」を利用するサードパーティー製クライアントではサポートされない。クラウドレコーディング、ライブトランスクリプション、ブレイクアウトルームといった一部の機能も未対応となっているので注意したい。
そのほかにも、本バージョンでは多くの機能改善と不具合の修正が行われている。
たとえば「Microsoft 365」の連絡先を同期する際、メインフォルダーに加え、サブフォルダーも同期できるようになった。スケジュールミーティングにおける“ホストより前の参加”機能や、着信音のカスタマイズ、スター付きチャットメッセージの検索も改善された。
さらにWindows版ではオーディオシグナルをOSに処理させるのではなく、RAWモードのまま「Zoom」で扱えるようになった。RAWモードをサポートするハードウェアであれば音質の向上を期待できるだろう。
そのほかにも、バーチャル背景をサポートするCPUの要件が緩和され、第5世代以降の“Intel Core i3”プロセッサーが利用できるようになった。極低消費電力の“Y”シリーズにも対応しており、15FPS/360pでのバーチャル背景が可能だ。
ソフトウェア情報
- 「Zoom」Windows版
- 【著作権者】
- Zoom Video Communications, Inc.
- 【対応OS】
- Windows XP/Vista/7/8/8.1/10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 5.4.0(20/10/26)