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GitHubが開発したGUIフレームワーク「Electron」の最新版v11.0.0が公開

「Rosetta 2」ではパフォーマンスが大幅低下。「Electron」アプリのネイティブ対応が待たれる

「Electron 11.0.0」がリリース

 アプリケーションフレームワーク「Electron」の最新版v11.0.0が、11月17日に公開された。「Electron」は、GitHub社が開発したオープンソースのGUIフレームワーク。HTML/CSS/JavaScriptといったWeb技術だけでWindows/Mac/Linuxに対応したデスクトップアプリケーションを開発可能で、GitHubが開発している「Atom」や「GitHub Desktop」以外にも、「Visual Studio Code」など多くのクロスプラットフォームアプリケーションで採用されている。

 「Electron 11.0.0」では、コアコンポーネントが以下のバージョンへアップデートされ、「Chrome 87」「Chrome 86」などで導入された新機能が「Electron」でも利用できるようになる。

  • Chromium:87.0.4280.47
  • V8:8.7
  • Node.js:12.18.3

 主要な変更点としては、“Apple Silicon(M1)”がサポートされた。「Electron 11」以降は、Intel Mac用(x64)とM1 Mac用(arm64)の2バージョンがリリースされる。「Electron」「V8」はJITコンパイラーを利用している関係で「Rosetta 2」による実行パフォーマンスが大幅に低下する。「Electron」アプリの開発者はM1 Macへのネイティブ対応を急ぐべきだろう。移行に関して注意すべき点については公式ブログで述べられているが、「Xcode」をはじめとする依存ツール・モジュールのアップデートが必要になるようだ。

 なお、リリースポリシーに従い3バージョン前の「Electron 8」系統はサポートが打ち切られているので注意。「Electron」は四半期に一度の開発サイクルを採用しており、次期バージョンの「Electron 12」は来年の初めにリリースされる。「Electron 12」では「remote」モジュールの廃止が進められるほか、「Electron 6」から進められてきたネイティブ「Node」モジュールをコンテキスト対応または「N-API」へ移行する取り組みが最終段階となり、“app.allowRendererProcessReuse”は削除される。