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「Blender 2.91」がリリース ~精度重視の新しいブーリアンを追加。布表現も強化
オープンソースの3DCG制作ツール
2020年11月27日 15:13
蘭Stichting Blender Foundationは11月25日(現地時間)、オープンソースの3DCG制作ツール「Blender」の最新版v2.91を公開した。今年4回目のメジャーリリースとなる本バージョンでは新しいブーリアン演算やボリュームオブジェクトのモディファイアが追加されたほか、クロス(布)スカルプティングの強化、アニメーションツールの改善などが行われている。
ブーリアンは重なり合うジオメトリを処理するツールで、「Blender」にはすでに搭載されているものだが、最新の「Blender 2.91」には旧来より精度の高い“Exact”ソルバーが新たに追加された。従来のソルバーも“Fast”ソルバーとして利用可能で、精度よりも性能を優先したい場合に利用できる。
一方、ボリュームオブジェクトのための新しいモディファイアは、ボリューム(メッシュでは表見しにくい炎や煙を表現)をメッシュ(ポリゴンの集まりで立体を表現)へ動的に変換する。その逆も可能で、ボリュームとメッシュ、好みの方法で編集して変換するといった使い方が可能となり、流体のモデリングに役立つという。
スカルプトクロスブラシとフィルターでは、コリジョン(衝突)がサポートされた。メッシュと接触したことを検知して、それに応じた布の変形が可能となる。新しいシミュレーションターゲット(SimulationTarget)を利用すれば、コリジョンを利用せずともポーズブラシと境界ブラシでくしゃっとした布の折り目や、曲げたときのシワもシミュレートできる。
アニメーション関連では、アニメーションカーブ(F-curve)を改善。必要なキーフレームを削減しつつ、より急激な変化も滑らかに再現できるようになった。
ユーザーインターフェイスにも多くの改善が導入された。たとえば、[Ctrl]+[F]キーでプロパティ検索が行えるようになった。あいまい(ファジー)検索も導入されているので、多少の打ち間違いや略称の入力でも目的の項目がヒットする。また、アウトライナーではカラータグをサポート。ドラッグ&ドロップによる整理も可能になっている。
「Blender」はWindows/Mac/Linuxに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、本ソフトの公式サイトからダウンロード可能。Windows版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。“Microsoft Store”や“Steam”から入手することも可能(最新版が提供されるまで若干のタイムラグあり)。また、新機能よりも安定性を重視するユーザーのための長期サポート(LTS)版「Blender」(v2.8x)も提供されている。
ソフトウェア情報
- 「Blender」Windows版
- 【著作権者】
- Stichting Blender Foundation
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows 7/8/10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 2.91(20/11/25)