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空の表現に磨きをかけた「Blender 2.90」がリリース ~モーションブラーのレンダリングも超高速化
オープンソースの3DCG制作ツール
2020年9月2日 06:45
蘭Stichting Blender Foundationは8月31日(現地時間)、オープンソースの3DCG制作ツール「Blender」の最新版v2.90を公開した。「Blender 2.90」は、昨年8月にリリースされた「Blender 2.80」シリーズに続くメジャーアップデート。ユーザーエクスペリエンスにさらなる磨きをかけたほか、レンダリングエンジン「EEVEE」「Cycles」の強化や、VRやアニメーション、モデリング、UV編集の改善が行われている。
「Blender 2.90」の目玉は、「Cycles」で新たに採用された“Nishita”スカイ(大気)モデルだ。大気散乱シミュレーションに基き時刻に伴う空の変化を忠実に再現することが可能で、より美しい空の表現を実現する。
レンダリング関連では、Intelが提供するCPUベースのレイトレーサー「Embree」のサポートが拡充。とくにモーションブラーのあるシーンにおけるパフォーマンスが大幅に向上した。GPUを用いたレンダリングにおいてもレイトレーシングAPI「OptiX」がすべての対応するNVIDIA製GPUで利用可能となったほか、「CUDA」と「OptiX」で“NVLink”がサポートされ、複数のGPUを用いて大きなシーンをレンダリングできるようになるなどの改善が施された。
ノイズ除去に関しても、「Blender 2.81」のコンポジターで導入された「Intel OpenImage Denoise」の拡充が進んだ。「Blender 2.90」では、このノイズ除去機能が3Dビューポートと最終レンダリングの過程で対話的に利用できるようになっている。まだパフォーマンスの面で問題を抱えているようだが、今後も最適化を図っていくとのこと。
そのほかにも、スカルプトではマルチレゾリューションスカルプティングがフルサポートされ、細分化の復元と再生成が可能となった。布フィルターやポーズブラシ、シャドウターミネーターなども強化されている。
「Blender」はWindows/Mac/Linuxに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、本ソフトの公式サイトからダウンロード可能。Windows版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。“Microsoft Store”や“Steam”から入手することも可能(最新版が提供されるまで若干のタイムラグあり)。また、新機能よりも安定性を重視するユーザーのための長期サポート(LTS)版「Blender」(v2.8x)も提供されている。
ソフトウェア情報
- 「Blender」Windows版
- 【著作権者】
- Stichting Blender Foundation
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows 7/8/10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 2.90(20/08/31)