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「Fiddler Everywhere」v1.3.0が公開 ~リストビューや自動応答を拡充

クロスプラットフォーム対応の定番Webデバッガープロキシー

「Fiddler Everywhere」v1.3.0

 米Progress Softwareは11月30日(現地時間)、Webデバッガープロキシー「Fiddler Everywhere」の最新版v1.3.0を公開した。便利な新機能がいくつか導入され、使い勝手の向上が図られている。

 まず、サーバー証明書エラーを無視するオプションが追加された。利用には注意を要するが、有効な証明書のない内部リソースを扱う場合に便利だ。このオプションは設定画面の[HTTPS]セクションで有効化できる。

サーバー証明書エラーを無視するオプションは設定画面の[HTTPS]セクションで有効化できる

 次に、「Brotli」(BR)コンテンツエンコーディングをデコードできるようになった。「Brotli」はHTTP接続の圧縮に用いられているアルゴリズムだが、従来の「Fiddler」ではレスポンスを読むことができなかった。今回のリリースではデコードオプションを有効にするだけで、人間にも読めるようにデータが変換されるようになる。

 ユーザーインターフェイス関連では、リストビューにいくつかの改善が行われている。たとえば、“Body Size”(“Body”から改称)や“Date”、“Duration”といったカラムでは、テキストではなく数値比較によるフィルタリングが行えるようになった。“Date”カラムではカレンダーコントロールによる指定、“Duration”カラムでは単位の指定も可能となっている。また、“Client IP”カラムが追加され、モバイルデバイスや自分のマシンから発せられたリクエストをキャプチャーするのも容易になった。

“Client IP”カラムが追加

 そのほかにも、自動応答(Auto Responder)ルールが拡充。「Fiddler Classic」のように“404”や“301”といった特定のHTTPステータスコードに対応した応答を簡単に作成できるようになった。さまざまなステータスコードを手軽にシミュレートできるようになったので、それに応じてアプリが適切に動作するかどうかを簡単にテストできる。

 「Fiddler Everywhere」は、「Internet Explorer」の開発に深く関わっていたEric Lawrence氏が制作したWindows向けのネットワークキャプチャーツール「Fiddler Classic」を「.NET Core」ベースで刷新し、MacやLinuxにも対応させたツール。ネットワークとアプリケーションの間でプロキシーサーバーとして動作し、HTTP通信をキャプチャーするWebデバッガープロキシーだ。基本機能は無償だが、無料版は自動応答ルール、セッションの保存・共有が5件までといった制限が課せられている。これらの制限がない“Pro”エディションは1ユーザーあたり月額12米ドル。将来的にはチームやエンタープライズ向けのライセンスも用意されるという。

ソフトウェア情報

「Fiddler Everywhere」
【著作権者】
Progress Software Corporation and/or one of its subsidiaries or affiliates
【対応OS】
Windows/Mac/Linux(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(機能制限あり、解除には有償ライセンスの購入が必要)0
【バージョン】
1.3.0(20/11/30)