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Apple Siliconでネイティブ動作する「Docker Desktop」がパブリックプレビュー

一般リリースは2021年の第1四半期が目標

“Apple Silicon(M1)”でネイティブ動作するMac向け「Docker Desktop」がパブリックプレビュー

 米Dockerは12月16日(現地時間)、“Apple Silicon(M1)”でネイティブ動作するMac向け「Docker Desktop」のパブリックプレビューを開始した。先週開催されたオンラインイベント“Docker Community All-Hands”で発表され、すでに1,000人以上の開発者がテストに参加しているという。

 同社によると、M1デバイスへ「Docker Desktop」を対応させるにあたり3つの課題があった。

 1つ目は、仮想化フレームワークの移行だ。「Docker Desktop」では2016年にオープンソース化された「HyperKit」を利用していたが、これをAppleが「macOS Big Sur」で提供している「Virtualization Framework」へ置き換えているという。

 2つ目は、バイナリをビルドするためのツールチェーンをM1ネイティブにアップグレードすることだ。「Docker Desktop」ではとくにGo言語が広く用いられているが、これがApple Siliconに対応するのは2021年2月リリース予定の「Go 1.16」になる見込み。

 最後は、継続的デプロイ(CD)のために必要なハードウェアがまだ十分にそろっていないことだ。「Docker」の開発ではテスト・ビルド・デプロイ(アプリの配信)といった一連のプロセスサイクルすべてが自動化されているが、M1デバイスはまだ発売されたばかりなのでパートナー企業にいきわたっておらず、CDを設定できなかったという。

 最初の2つの問題は大きく前進しており、今回のプレビュー版「Docker Desktop」のリリースにこぎつけることができたが、品質はまだベータ版以前の段階である点には注意したい。同社は2021年の第1四半期にもGA(一般リリース)ビルドを提供したいとしている。

M1デバイスで「Docker Desktop」を起動した様子

 Mac向け「Docker Desktop」のプレビュービルドは現在、“Docker Blog”のリリース記事から無償でダウンロード可能だ。