ニュース
無償のオフィス総合ソフト「LibreOffice 7.1 Community」がリリース
初回起動時にUIを選択するダイアログ。印刷や拡張機能の管理、検索・置換処理も強化
2021年2月4日 10:45
The Document Foundation(TDF)は2月3日(中央ヨーロッパ時間)、「LibreOffice 7.1 Community」を公開した。「LibreOffice 7.0」以来の大きなバージョンアップだ。
「LibreOffice 7.1」に“Community”というブランドが冠されているのは、企業を対象としたバージョンではなく、ボランティアによって支えられていることを強調するためだ。企業規模で導入する場合はプロフェッショナルによる有償のサポートやトレーニングとセットにするべきだが、近年はコスト削減のためにそれを省くところが増えてきているという。これはコミュニティに見返りをもたらさないにもかかわらず、ビジネスの問題解決に貴重なボランティアリソースが奪われるだけでなく、「LibreOffice」でビジネスを行う企業エコシステムにとっての損失でもある。「LibreOffice」プロジェクトの持続性のためにも、企業には是非「LibreOffice Enterprise」を使ってもらい、プロジェクトを支援してほしいという考えだ。
さて、最新版となる「LibreOffice 7.1 Community」では以下の改善が行われた。コミット(ソースコードの変更)の73%はCollaboraやRed Hatなど「LibreOffice」サービスを顧客に提供している企業に所属する開発者からのもので、残りは個人のボランティアによるものだという。
「LibreOffice」全般
- 初回起動時にユーザーインターフェイスを選択するダイアログを表示
- 印刷機能の強化。用紙サイズ検索の改善やプレビューの非同期更新化など
- 拡張機能を検索・ダウンロード・インストールできるダイアログを追加
ワープロソフト「Writer」
- 新しいスタイルインスペクター
- 画像を追加する際のアンカーの初期設定を指定可能に
- BOM(バイトオーダーマーク)のないUnicodeテキストも検出可能に
- 検索・置換処理の大幅な速度向上
表計算ソフト「Calc」
- [Enter]キーによる貼り付けを無効にするオプション
- オートフィルターを改善。すべての項目の行を選択するオプションを追加
- オートフィルターと検索・置換処理を大幅にパフォーマンスアップ
プレゼンテーションソフト「Impress」と作図アプリ「Draw」
- 「Draw」で既存PDFに表示可能な電子署名を追加
- 「Impress」で一度に複数のオブジェクトのアニメーションを変更
- 「Impress」のプレゼンターコンソールに[一時停止/再開]と[終了]ボタンを追加
- オブジェクトにリアルでソフトブラーシャドウを追加
- 物理演算ベースのアニメーション機能。プリセットも新しく追加
そのほかにも、マクロを管理する「ScriptForge」が追加され、ユーザーが作成したBasicやPythonスクリプトを呼び出せるようになっているという。
「LibreOffice」は、クロスプラットフォームで動作するオープンソースのオフィス統合環境。Windows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在“libreoffice.org”から無償でダウンロードできる。Windows版はWindows 7/8/10およびWindows Server 2012をサポートしており、窓の杜ライブラリからもダウンロード可能。
ソフトウェア情報
- 「LibreOffice」v7.1系統
- 【著作権者】
- LibreOffice contributors
- 【対応OS】
- Windows 7/8/10およびWindows Server 2012
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 7.1.0.3(21/02/03)