ニュース

最新版「Chrome」にライブキャプション機能が追加 ~会話をリアルタイムに文字起こし&字幕化

英語のみの対応だが、オフラインでも、ローカルコンテンツの再生でも使えるのは魅力

「Chrome 89」にライブキャプション機能

 米Googleは3月18日(現地時間)、「Google Chrome」にライブキャプション(自動字幕起こし)機能を追加したと発表した。Webサイト側で字幕が提供されていなくても、「Chrome」側で発言をテキストに書き起こし、リアルタイムで字幕を表示してくれる。

 ライブキャプション機能はデフォルトで無効化されており、利用の際は「Chrome」の[ユーザー補助]設定(chrome://settings/accessibility)から有効化する必要がある。トグルスイッチをONにすると必要な追加ファイルがダウンロードされ、音声ファイルや動画ファイルを視聴する際にリアルタイム字幕が利用できるようになるはずだ。字幕の表示はOS側の設定に従うようで、カスタマイズを試みると、Windows 10の場合は「設定」アプリの[簡単操作]-[字幕]セクションに案内される。

「Chrome」の[ユーザー補助]設定(chrome://settings/accessibility)。自動字幕起こしのオプションを有効化すると、必要なファイルがダウンロードされる
字幕の表示はOS側の設定に従う

 「Chrome」のライブキャプションはアクセシビリティ機能と位置付けられているが、聴覚障害者だけでなく、健常者にとっても役立つものだ。音を出して動画を視聴できない状況下や、周りが騒がしくて声を聞き取りにくい場面に活躍するだろう。言語設定は見当たらず、今のところ英語のみの対応となっているが、ヒアリングの苦手なユーザーが英語コンテンツを楽しむ際には十分役立つ。

 また、字幕がデバイス上で生成される仕組みになっており、幅広いシーンで活用できるのも魅力だ。SNSや動画サイトだけでなく、ポッドキャスト、ラジオ、ビデオ・オーディオチャット、「Google フォト」などに保存されている個人のビデオライブラリなどでも機能するほか、インターネット接続のない環境やローカルに保存されたメディアファイルを再生する際にも利用できる。処理がローカルで完結するため、書き起こした会話の内容が外部に漏れる心配もなさそうだ。

ローカルファイルの再生。日本語の会話には対応しておらず、英語として解釈される

 ライブキャプションは現在、Windows、Mac、Linux向けにグローバルに提供されている(編集部にて「Chrome 89」で動作確認)。近日中には「Chrome OS」でも利用可能になる見込みだ。ちなみに、Androidデバイスではすでにサポートされている。