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「Sublime Text 4」初の安定版がリリース ~プログラマー向け高機能テキストエディター

Apple M1対応にGPUレンダリングによる新しいGUI。自動補完、構文色分けのエンジンも刷新

「Sublime Text 4」(Build 4107)

 豪Sublime HQは5月21日(現地時間)、「Sublime Text 4」初の安定版をリリースした。2年半ぶりのメジャーアップデートとなる。

 「Sublime Text」は、Windows/Mac/Linuxで動作するクロスプラットフォーム対応のテキストエディター。構文色分けをはじめとする開発者向け機能が充実しており、プログラマー向けのモダンエディターとしては草分け的存在と言える。また、プラグインで自由に機能を拡張できる点も魅力と言えるだろう。

 「Sublime Text」はとくに大きな制限なく無償で試用できるが、継続的な利用にはライセンス(80米ドル)の購入が必要。「Sublime Text 4」からはライセンスが変更されており、ライセンスキーは購入後3年以内のすべてのアップデートに対し有効となる。その間にメジャーアップデートがあってもライセンスを買いなおす必要はない。これは「Sublime Merge」と同じライセンス形態だ。

 「Sublime Text 4」では、ユーザーインターフェイスを刷新。テーマと配色も、ダークモードへの自動切り替えがサポートされた。タブ機能も拡張されており、分割ビューが簡単に利用できるようになったほか、コードナビゲーションもより直感的に利用できるようになっている。インターフェイスのレンダリングにはGPUアクセラレーションが利用されるようになり、従来よりも少ない電力で、8K解像度でも滑らかに動作する。

[Ctrl]キーを押しながらファイルを選択して分割表示。タブをクリックすれば解除される

 機能面では、自動補完エンジンが新規に書き直され、プロジェクト内の既存のコードを理解して、文脈に応じたスマートな補完が行えるようになったのが目玉だ。入力補完のポップアップから、そのシンボルの定義へジャンプすることもできる。

 また、最近人気の「TypeScript」にデフォルトで対応。構文色分け(シンタックスハイライト)エンジンも大幅に改良されており、さまざまなプログラミング言語へ柔軟に対応できるようになったほか、メモリ使用量が削減され、読み込み時間が短縮されている。

賢くなったコード補完。「TypeScript」へのデフォルト対応や構文色分けエンジンの大幅改良にも注目

 そのほかにも、APIが「Python 3.8」にアップデートされた。「Sublime Text 3」向けにビルドされたパッケージとの互換性を保ちつつも、「LISP」などもサポートできるよう大幅に拡張されている。対応プラットフォームも増え、「Apple Silicon」(M1)へのネイティブ対応を果たしたほか、「Raspberry Pi」などでも利用できるようLinux ARM64ビルドが追加されている。

 「Sublime Text 4」は現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。

ソフトウェア情報

「Sublime Text 3」
【著作権者】
Sublime HQ Pty Ltd
【対応OS】
Windows/Mac/Linux(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
シェアウェア 80米ドル
【バージョン】
4(Build 4107)(21/05/20)