ニュース

「Microsoft Edge 92」でフォントレンダリングが改善、ClearType調整を反映するように

Windows向けのCanary版「Edge」でテスト中

「Microsoft Edge」v91.0.864.36

 米Microsoftは6月2日(現地時間)、Windows版「Microsoft Edge」のCanaryビルドでフォントのレンダリングを改善したと発表した。大きな問題がなければ、「Edge 92」で安定(Stable)ビルドに導入される予定。「Chromium」プロジェクトにもフィードバックされるため、いずれは「Google Chrome」などでも利用できるようになるはずだ。

 「EdgeHTML」ベースの古い「Edge」は、多くのWindowsネイティブアプリケーションと同様、「DirectWrite」フレームワークを利用してグリフがレンダリングされていた。テキストを描画する一連の処理、つまりレンダリングパイプラインを「DirectWrite」で統一する利点は、ユーザーが行った「ClearType」設定のカスタマイズがアプリに反映されることだ。レンダリングされたフォントの見え方はモニターによって異なるため、Windowsでは「ClearType」の微調整が可能だが、このカスタマイズがシステムワイドで反映される。

フォントレンダリングを微調整できる「ClearType テキスト チューナー」

 しかし、「Chromium」で「DirectWrite」を利用するのは、フォントの列挙やグリフ情報の検索、グリフビットマップの生成といったテキストレンダリングパイプラインの一部のみだ。テキストの整形やレイアウト、レンダリングといった処理は、プラットフォーム共通のコードで行われる。グリフビットマップの最終的な合成は「Skia」と呼ばれるグラフィックライブラリで行われるが、アンチエイリアスされたテキストのコントラストやガンマ値の補正にはハードコード(ソースコードに埋め込まれた)設定が用いられる。

 そのため、「Chromium」ベースの新しい「Edge」でテキストをレンダリングすると、Windowsのシステムデフォルトより微妙に明るいテキストになってしまっていた(かすれて見えることもある)。この違いはアンチエイリアス処理されたピクセルが、レンダリングされた各グリフに占める割合が高い日中韓の文字でより顕著にあらわれる。

 Windows向けのCanary版「Edge」ではこの問題が対処され、ユーザーが調整した「ClearType」の設定が尊重されるようになった。これをテストするには、試験フラグ(edge://flags#edge-enhance-text-contrast)を有効にすればよい。見栄えの違いをチェックするには、「GitHub」のデモページが役立つ。

「GitHub」のデモページ

 ただし、「ClearType」チューナーの設定変更を反映させるには「Edge」再起動する必要があるので注意。また、今のところプライマリモニターの設定のみが利用される点にも注意したい。