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Microsoftが「Chromium」のテキストレンダリングを改善 ~Windowsなら「Edge」以外にも恩恵

他のネイティブWindowsアプリケーションの品質と鮮明度に匹敵

公式ブログ「Microsoft Edge Blog」におけるアナウンス

 米Microsoftは1月30日(現地時間)、「Microsoft Edge」に先行導入の“強化されたテキストレンダリング”がWindows上のすべての「Chromium」ベースブラウザーで利用可能になったと発表した。

 「Chromium」を採用する前の古い「Edge」は他のWindowsアプリケーションと同様、テキストレンダリングに「DirectWrite」を採用していた。そのため、システムワイドの「ClearType」設定に基づき、他のWindowsアプリケーションと一貫した描画が行われる。たとえばWindowsに含まれる「ClearType テキストの調整」でモニターに合わせた品質調整を行えば、それが「Edge」にも反映される。

[スタート]画面の検索からアクセスできる「ClearType テキストの調整」。これでシステムの「ClearType」設定をモニターに合わせて調整しても、「Skia」には反映されない

 しかし、「Chromium」はテキストレンダリングパイプラインの一部でしか「DirectWrite」を使っておらず、残りは「Skia」を用いている。そのため、「Chromium」にだけ「ClearType」のシステム設定が適用されず、レンダリングの一貫性が損なわれたり、とくに日中韓(CJK)テキストがかすれて表示されることがあった。

 そのため、同社は「Edge 92」(2021年)でWindows環境における「Chromium」のフォントレンダリングを改善し、「ClearType」設定を「Edge」にも適用されるようにする作業を行った(強化されたテキストレンダリング)

 さらに今回、それが「Edge」以外のWindows向け「Chromium」ベースブラウザーにも導入されることになった。「Google Chrome」の場合、2025年1月リリースの「Chrome 132」から有効になっているという。コントラストの拡大とガンマ補正の改良が行われ、他のネイティブWindowsアプリケーションに匹敵する品質と鮮明度が得られるとのこと。

コントラスト値を0.0、0.25、0.5(従来の既定値)、0.75、1.0でレンダリングしたテキストを比べると、1.0の場合の視認性が高い。こうした調整が「Edge」以外の「Chromium」系ブラウザーにも適用される

 同社は今後もWebのテキストレンダリングを強化するとのこと。今回の改善に対するフィードバックも募っている。