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老舗のファイル暗号化ツール「アタッシェケース4」が公開、Macへ暫定対応
公開鍵暗号、AES暗号化を新たにサポート。商用有料となったので注意
2021年7月6日 15:07
ファイル・フォルダーの暗号化ツール「アタッシェケース4」が、7月2日に正式公開された。2016年9月以来のメジャーバージョンアップとなる。
「アタッシェケース」は日常的な利用を想定し、簡素・勘弁を旨として開発されている老舗の暗号化ツール。わずか3ステップでファイルやフォルダーを手軽に暗号化できるほか、「アタッシェケース」を持たないユーザーのために自己実行可能形式での出力も可能。このジャンルの定番として多くのユーザーに愛用されている。開発はオープンソースで行われており、ライセンスは「GPLv3」。ソースコードは「GitHub」から入手できる。
メジャーバージョンアップとなる「アタッシェケース4」では、Windows版に加えてMac版を追加。機能はWindows版により劣るものの、Windows/Macでファイルのやり取りが行えるようになった。本格的な対応は「.NET 6」あたりになるとのことなので期待したい。
機能面では、公開鍵暗号(RSA)への対応が目玉。パスワードをやり取りしなくても、公開鍵の公開だけで安全にデータのやり取りが行えるようになる。暗号化アルゴリズムと「Rijndael」に代わり「AES」を、暗号化モードとして「CBS」モードを採用するなど、世界標準に準じているのも最新版の特徴。ユーザーインターフェイス関連では、ダークモードがサポートされた。
一方で、ZIP付きパスワードファイルの作成機能は廃止されている。暗号化ZIPファイルはもはや時代遅れなので、データ保護が目的であればほかの手段をとるべきだ。
なお、「アタッシェケース4」からはデータ形式が新しくなっている。「アタッシェケース4」で旧バージョンのデータを復号できるが、「アタッシェケース4」で暗号化したデータは旧バージョンで復号できないので注意。
また、「アタッシェケース4」からは商用の場合、1ユーザー550円(税込み)のライセンス料が徴収されるようになった(Windows版のみ、Mac版は用途に関わらず無償)。これはWebサイトの維持管理、開発の継続、コードサイニング証明書の取得、Appleへ収める開発者登録料を捻出するためだという。非商用でライセンス料を支払わなくていいケースでも寄付は受け付けているとのことなので、余裕のあるユーザーは支援を検討してほしい。
Windows版「アタッシェケース4」はWindows 10/NET Framework 4.5以降に対応しており、インストーラー版とZIP版を作者サイトからダウンロード可能(執筆時現在の最新版は、3日公開のv4.0.0.9)。Mac版の対応OSはmacOS Mojave(10.14)以降。現在はZIP版のみの提供だが、「Mac AppStore」での配布も予定されているという。
ソフトウェア情報
- 「アタッシェケース4」Windows版
- 【著作権者】
- ひばら みつひろ 氏
- 【対応OS】
- Windows 10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎、商用は有償)
- 【バージョン】
- 4.0.0.9(21/07/03)
- 「アタッシェケース4」Mac版
- 【著作権者】
- ひばら みつひろ 氏
- 【対応OS】
- macOS Mojave(10.14)以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎、商用は有償)
- 【バージョン】
- 4.0.6(21/07/02)