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プログラミング言語のコードを逐次実行できるノートブック環境「JupyterLab」がスタンドアロンアプリに

Windows、Mac、Linux(Debian/Fedora)で利用可能

「JupyterLab」をスタンドアロンで利用できるデスクトップアプリ「JupyterLab Desktop App」がリリース

 「JupyterLab」をスタンドアロンで利用できるデスクトップアプリ「JupyterLab Desktop App」が、9月22日にリリースされた。「Electron」で構築されたクロスプラットフォームアプリで、Windows、Mac、Linux(Debian/Fedora)で利用可能。「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、現在v3.1.13-1をリリースページからダウンロードできる。

 プログラミング言語を学ぶにあたりもっとも手っ取り早い方法は、ソースコードを自分の手で入力し、実行させ、逐一その結果を確認することだろう。そうした用途に便利なのが入力したコードをその場で実行して結果を得られる対話型(Interactive)実行環境で、Python言語用の「IPython」と、「Jupyter Notebook」がよく知られる。

 とくに「Jupyter Notebook」やその後継にあたる「JupyterLab」は、Python以外のプログラミング言語も幅広くサポートし、プログラムコードのほかにもMarkdownドキュメント、数式、グラフなどを含めることができる。実際に動作するところが見えるノートブックはプログラミングの教材を作成するのに最適だが、データをプロットしてグラフを得るといった用途にも役立つので、データサイエンスや科学計算の現場でもよく用いられる。

 とはいえ、「Jupyter Notebook」や「JupyterLab」は基本的にWebアプリケーションで、動作させるにはサーバーが必要となる。これから入門したいというユーザーにとっては、少々ハードルが高いかもしれない。

 そこで開発されたのが、今回リリースされた「JupyterLab Desktop App」だ。インストーラーに「JupyterLab」のサーバーと「Electron」製のクライアントアプリがセットになっており、セットアップするだけでそのまま「JupyterLab」を始められるのが魅力だ。

「JupyterLab」のサーバーがインストーラーに同梱
「JupyterLab」サーバーのセットアップは簡単だが、途中「Recomended」(推奨)となっているオプションは有効にしておいた方がよさそうだ
ランチャー画面
「セル」と呼ばれるブロックにコードやMarkdownテキストを書き込み、[Shift]+[Enter]で実行する。コードの場合、セルの下に結果が出力される

 「JupyterLab Desktop App」にはPython環境がはじめから内蔵されているので、別途用意する必要はない。「JupyterLab」のバックエンドとPythonライブラリはバンドルされているPython環境「Anaconda」(condaコマンド)で提供される仕組みになっており、「numpy」、「scipy」、「ipywidgets」、「matplotlib」といったよく使われるパッケージが初めから含まれる。

ソフトウェア情報

「JupyterLab Desktop App」
【著作権者】
Project Jupyter Contributors
【対応OS】
Windows/Mac/Linux
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.1.13-1(21/09/22)