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「Thunderbird 91.2.0」が公開 ~メールをEML形式で保存する際の挙動を改善【10月14日追記】
7件のセキュリティの修正も
2021年10月8日 12:30
オープンソースのメールソフト「Thunderbird」の最新版v91.2.0が、10月7日(米国時間)に正式公開された。単一のメッセージをEML形式ファイルとして保存する際にユニークなファイル名が使われるようになった点を除けば、不具合とセキュリティの修正がメインのメンテナンスアップデートとなっている。
本バージョンで修正された不具合は、以下の通り。
- 新着メールの通知でサブフォルダーが適切に考慮されていない
- 外部のGnuPG設定を使用している場合に、バイナリの添付ファイルの復号化に失敗する
- アカウントマネージャーのアカウント名フィールドのサイズが長い名前に対して十分でない
- extensibleMatchフィルターを使用したLDAP検索で結果が得られない
- 読み取り専用のCalDAVカレンダーおよびCardDAVアドレスブックが検出されない
- カレンダーの招待を含むマルチパートメッセージで、人間が読める選択肢が表示されない
- カレンダーの日付が正しく表示されない、または重複して表示される(例:特定の月に2つの「29日」が表示される)
- カレンダーの週表示で、1日の終わりに存在しないはずのイベントが表示される
セキュリティ修正の詳細はまだ公表されていないが、「Firefox ESR 91.2」で実施されたものとほぼ共通と思われる。「Firefox ESR 91.2」では6件の脆弱性が修正されており、うち3件はMozillaの基準で上から2番目の「High」と評価されている。
「Thunderbird」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、Windows版はWindows 7/8/10で利用可能。すでに利用している場合は自動更新されるが、「Thunderbird 78」系統から「Thunderbird 91」系統へのアップグレードはまだ提供されていないようだ。「Thunderbird 91」は引き続き公式サイト「thunderbird.net」から入手する必要がある。
[2021年10月14日編集部追記] 「Thunderbird」v91.2.0で修正された脆弱性の情報が発表された。それによると修正された脆弱性はCVE番号ベースで7件。「Firefox ESR 91.2」で修正された脆弱性に加え、STARTTLSを利用したSMTP接続に対するダウングレード攻撃により、メッセージの傍受などが可能となる脆弱性CVE-2021-38502が修正されている。