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「Docker Desktop 4.2」は一時停止でリソースを節約可能 ~わずらわしい更新通知は削除

Linux向けの「Docker Desktop」も開発中

「Docker Desktop 4.2」が公開

 米Dockerは11月9日(現地時間)、「Docker Desktop 4.2」を公開した。「Docker Desktop」は、Windows/Mac環境へ「Docker」をインストールし、手軽に使えるようにしたツール。今回のアップデートでは一時停止・再開機能が追加されたほか、アップデート機能が見直されている。

 「Docker Desktop 4.2」では試験的機能として、利用中の「Docker Desktop」セッションを一時停止(ポーズ)する機能が導入された。ポーズ中はコンテナーの状態がメモリに保存され、すべてのプロセスが凍結される。CPUをはじめとするリソースの消費を抑え、ラップトップのバッテリーを節約できるというわけだ。再開(レジューム)すればセッションは依然の通り復元され、作業の続きが可能。

 一時停止と再開はUIだけでなく、CLIでも行える。ただし、現在のところWindowsコンテナーモードではサポートされていないので注意したい。

 もう一つの改善点は、アップデートを通知するモーダルポップアップが削除されたことだ。このポップアップは「Docker Desktop」の更新を促すために設けられていたが、作業が中断されるとしてユーザーからは不評だった。

 本バージョンでは思い切ってこのポップアップが取り除かれ、タスクトレイアイコンやDashboardのバッヂで通知されるようになり、ユーザーの都合のいいタイミングでアップデートできるようになった。

アップデートを通知するモーダルポップアップ

 また、すべてのサブスクリプションで[Automatically check for updates](自動でアップデートをチェックする)オプションが利用できるようになった。既定では有効化されているが、無効化すればすべての更新通知が表示されなくなる。

 また、自動でアップデートをダウンロードするかどうかも選べるようになった。勝手にネットワーク帯域を占有されるのを嫌うユーザーや従量課金接続を利用している場合を考慮して既定では無効化されているが、有効化しておけば都合のいいタイミングで即座に「Docker Desktop」の更新を完了できるようになるだろう。

すべてのサブスクリプションで[Automatically check for updates](自動でアップデートをチェックする)オプションが利用できるように

 同社は今後のアップデートで、パブリックロードマップで投票の多かったMacファイルシステムにおけるパフォーマンスの改善と、Linux向けの「Docker Desktop」実装に取り組むとしている。

 「Docker Desktop」は現在、同社のWebサイトから利用可能。中小企業(従業員数250人未満、年間収益1,000万ドル未満)、個人使用、教育目的、非商用のオープンソースプロジェクトであれば、無償の「Docker Personal」サブスクリプションで利用できる。それ以外の用途では、有料サブスクリプションが必要だ。詳しくは「Docker Desktop 4.0」のリリース記事を参照のこと。