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「IronPython 3.4.0」がベータ版に ~アルファ版発表から1年、正式リリースに向けて大きく前進

.NETと統合されたPython言語のオープンソース実装

「IronPython」v3.4.0-beta1

 「IronPython」の開発チームは5月1日(日本時間)、「IronPython 3.4.0」のベータ版を公開した。正式リリースに向けて大きく前進したことになる。

 「IronPython」は、.NETと統合されたPython言語のオープンソース実装(ライセンスはApache License 2.0)。Python開発者が.NETの機能へアクセスしたり、.NET開発者が自分のアプリにPythonを組み込むときに有用で、Pythonでアプリの動作テストを記述したり、新しいアプリケーションをPythonで開発するためにも利用できる。

 しかし、「IronPython」の開発は近年滞っており、最新の正式版はいまだ「Python 2」(すでにサポート終了)準拠だ。そのため、一時期はプロジェクトの終了も危惧されていたが、昨年4月に「IronPython 3.4.0」のアルファ版が発表され、少しずつではあるが「Python 3」への移行が進められている。

 今回リリースされた「IronPython 3.4.0」v3.4.0-beta1は「.NET Framework 4.6」、「.NET Core 3.1」、「.NET 6」といったランタイムをターゲットとしている。改善点としては、「CPython」との互換性を持たせるために「int」型と「long」型の扱いに変更が加えられたほか、フォーマット済み文字列リテラル(f-string)のサポート、モジュール対応の改善などが挙げられている。