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「Git for Windows」v2.37.0が公開 ~不要オブジェクトを賢く管理するCruft Packが導入

ビルトインのファイルシステムモニターやスパースインデックスによる速度改善にも期待

「Git for Windows」v2.37.0

 「Git for Windows」の最新版v2.37.0が、6月27日(日本時間)に公開された。64bit版を含むWindows Vista以降に対応しており、現在公式サイト「gitforwindows.org」から無償でダウンロード可能。

 「Git for Windows」は、分散型バージョン管理システム「Git」のクライアントをWindows向けに移植したもの。Windows環境で「Git」を扱うためのCUI/GUIツールがひとまとめになっている。

 本バージョンでは、以下のコンポーネントがアップデートされた。

  • 「Git」v2.37.0
  • 「Cygwin 3.3.5」ベースの「MSYS2」ランタイム
  • 「PCRE2」v10.40
  • 「Git LFS」v3.2.0
  • 「GNU TLS」v3.7.6
  • 「OpenSSL」v1.1.1p
  • 「Git Credential Manager Core」v2.0.779
  • 「cURL」v7.84.0

 「Git 2.37.0」では、リポジトリでもはや使われていないオブジェクトを削除する仕組みが新しくなった。このメカニズムは「Cruft Pack」と呼ばれており、到達不能にも関わらず削除猶予を迎えていないオブジェクトを伝統的なメカニズムよりも効率的に管理可能。リポジトリのサイズ削減やパフォーマンスの向上も期待できる。

 また、試験導入されていたビルトインのファイルシステムモニターがWindows/Mac版に組み込まれた(当面の作業に必要なオブジェクトにのみインデックスを張る機能)。一部のサブコマンドから順次行われていたスパースインデックス(部分チェックアウト)対応も完了し、とくに「git stash」では大きくパフォーマンスが向上している。これは「git stash」が一度の処理でインデックスの読み取りと書き込みを何度も行うためで、特定のケースでは80%近い速度改善が実現されているという。

ビルトインのファイルシステムモニターを有効化するオプション

 そのほかにも、マルウェア対策ソフトと「MSYS2」ランタイムとの互換性問題に対する回避策が追加。2017年に「Azure Repos」のため再有効化されたSSHのCBC暗号が不要になったとして、再び既定で無効化された。以前よりアナウンスされていた対応OSの変更はまだ行われていないようだ。

ソフトウェア情報

「Git for Windows」
【著作権者】
msysgit/git
【対応OS】
Windows Vista以降(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.37.0(22/06/27)