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Dropbox、「Dropbox Dash」と「Dropbox AI」を発表

AIで「仕事のための仕事」を減らし、AIのイノベーションを通じて働き方を変革

コンテンツ、アプリを1つの検索バーでつなげる「Dropbox Dash」

 米Dropbox は6月21日(現地時間)、「Dropbox Dash」と「Dropbox AI」を発表した。

Dropbox Dash

 「Dropbox Dash」はAIを搭載したユニバーサル検索ツールで、主に業務用だ。同社の調査によると、ナレッジワーカーはファイルやコンテンツを探すために週に8.8時間を費やしており、69%はアプリの切り替えに1日60分も費やしているという。こうした「仕事のための仕事」に費やされる無駄を減らそうと開発されたのが、すべてのツール、コンテンツ、アプリを1つの検索バーでつなげる「Dropbox Dash」だ。

 「Dropbox Dash」のユニバーサル検索は「Dropbox」だけでなく、コネクターの追加により「Google Workspace」や「Microsoft Outlook」、「Salesforce」などにも対応する。機械学習により使えば使うほど進化し、改善されるのも特徴だ。さらに、検索以外に以下の機能も提供される。

  • スタック(Stacks):リンクを保存、整理、検索するためのスマートコレクション
  • スタートページ:「Dash」ユニバーサル検索へのアクセス、「Stacks」の表示、最近の作業へのショートカット、ミーティングの開始などを一覧するダッシュボード
  • 生成AIによるチャットインターフェイス:間もなく実装予定

 「Dropbox Dash」は、現在ベータ版として一部の顧客に提供されている。言語は英語のみ。試用を希望する場合は待機リストに登録しておくとよい。

リンクを保存、整理、検索するためのスマートコレクション「スタック」
「Dropbox Dash」のダッシュボード

Dropbox AI

 一方の「Dropbox AI」は、コンテンツを素早く要約して、質問への回答を得る生成AIだ。ファイルプレビューのWeb UIに統合されており、わざわざコンテンツすべてに目を通さなくても、ドキュメントや動画の内容を把握できる。大部の契約書や長い会議の録画などで役立つのはもちろん、いずれは「Dropbox」フォルダーやアカウント全体で利用できるようになる見込みで、そうなれば膨大な資料を検索する手間も省けるだろう。

ファイルプレビューの「Dropbox AI」

 ファイルプレビューの「Dropbox AI」は、現在アルファ版。米国の「Dropbox Pro」で利用できるようになるほか、一部の「Dropbox Teams」でテストが開始される予定。

 そのほかにも、同社は次世代のAIスタートアップ企業を支援するプログラム「Dropbox Ventures」を立ち上げた。5,000万米ドルの資金を投じ、AIのイノベーションを通じて働き方を変革する企業をサポートしていくという。