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「MySQL 8.1」が公開、リリースモデルをイノベーション&長期サポートの2本立てに再編

オープンソースのデータベースサーバー

「MySQL 8.1」がリリース

 オープンソースのデータベースサーバー「MySQL」が7月19日(日本時間)、v8.1.0へとアップデートされた。新しいリリースモデルである「イノベーションリリース」に基づく最初のバージョンとなる。

 「MySQL 5.7」以前の「MySQL」では、新機能を含むプロダクションリリースが数年に1度行われるだけで、パッチリリースは不具合とセキュリティ問題の修正に重点が置かれていた。しかし、これではユーザーに新機能を届ける機会が制限されてしまう。そこで、2018年4月にリリースされた「MySQL 8.0」からは継続的開発モデルを採用し、パッチリリースでも積極的に新機能が導入されるようになった。

 ところが、このアプローチは互換性を重視した保守的な運用を必要とするユーザーにはあまり向いていないという問題がある。機能の存廃やデータ形式の変更が好ましくない場合、どのバージョンを採用すればよいのかがわかりにくい。

 そこで、「MySQL」のバージョン管理モデルが変更され、イノベーション(Innovation)リリースと長期サポート(Long-Term Support:LTS)リリースの2つに分割された。どちらのリリースにも製品グレードの品質があるとされており、運用ニーズに合わせてどちらかを選ぶことになる。

「MySQL」の今後のリリースサイクルのイメージ

 イノベーションリリースはおおよそ四半期ごとに提供され、v8.1、v8.2、v8.3……とナンバリングされていく。新機能は基本的にこのリリースのみに投入される。

 長期サポートリリースは2年ごとで、そのときのマイナーバージョンが指定される。このリリースに機能の変更・廃止はなく、5年間の「Premier Support」と3年間の「Extended Support」が提供される(「MySQL 5.7」と同じ)。順調に「MySQL」がバージョンを重ねていけば、複数の長期サポートリリースが併存することになる。

 なお、「MySQL 8.0」系統に関してはv8.0.34以降、2026年4月にスケジュールされているサポート終了(EOL)まで、不具合修正のみが行われる。次の長期サポートバージョンがリリースされるまでは、実質的にその役目を担うことになる。