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ポート転送機能を内蔵した「Visual Studio Code」2023年8月更新(v1.82.0)が公開

「コマンド センター」と新しい差分エディターは既定で有効化、

「Visual Studio Code」v1.82.0

 米Microsoftは9月8日(日本時間)、「Visual Studio Code」の2023年8月アップデート(v1.82.0)を正式公開した。現在、本ソフトの公式サイトや「ストア」アプリ(Microsoft Store)から無償でダウンロード可能。すでに利用している場合は、アプリの自動更新機能を用いてアップデートすることもできる。

 「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。Web標準技術で構築されており、Webブラウザーでも動作する。強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー(Language Server)対応の拡張機能を追加することで幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴だ。

 v1.82.0では引き続きアクセシビリティの向上が図られたほか、ポートフォワーディング(ポート転送)機能が内蔵された。コマンドパレットから[Forward a Port]コマンドを実行してポート転送を構成すると、「Visual Studio Code」でローカル実行しているサービスに、他のユーザーがインターネット経由でアクセスできるようになる。

 ポート転送は既定でプライベートとなっており、アクセスの際はプロフィールと同じ「GitHub」アカウントが必要。パブリックにすれば、サインインは不要となる。

トンネルを利用したポート転送。サインイン不要のパブリックモードも

 また、「コマンド センター」が既定で有効化された。タイトルバーにコマンドを検索するためのボックスと、戻る・進むボタンが追加される。不要であればタイトルバーの右クリックメニューで無効化することも可能。

「コマンド センター」が既定で有効化(下)

 エディター関連では、固定スクロール(Sticky Scroll)と差分エディターの改善に注目したい。

 固定スクロールは昨年導入された機能で、クラス名や関数名だけを残してブロックの中身だけをスクロールできるというもの。本バージョンではエディターの水平スクロールに同期させたり、ブロック(スコープ)の最終行を表示したり、折り畳み・展開を行うためのユーザーインターフェイスが追加された。

 差分(Diff)機能では、新しいエディターが既定で有効化された。さらに移動されたコードを検出してその移動先を矢印で示す機能、変更のない部分を折りたたむ機能、エディターのサイズに応じて従来のレイアウトとインラインビューを切り替える動的レイアウトなどなどが新たに導入されている。

移動されたコードを検出してその移動先を矢印で示す機能

 そのほかにも、さまざまな改善が施された。

  • ノートブックのセルの出力や生成されたイメージを簡単にコピー
  • 「WebAssembly」のデバッグ。WASMコードをデコンパイルして、ブレークポイントを設定できる
  • 新しい「TypeScript」のリファクタリング。ファイルとインライン変数のリファクタリングに移動し、シンボルへの全参照を自動で更新
  • 「Python」のフォーマッターに関するドキュメントを追加
  • 「GitHub Copilot」プレビューの改善

ソフトウェア情報

「Visual Studio Code」Windows向け安定版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
64bit版を含むWindows 10/11
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.82.0(23/09/08)