Microsoft、「Visual Studio for Mac」を終了 ～サポート期間はあと1年

公式ブログでのアナウンス

　米Microsoftは8月30日（現地時間）、「Visual Studio for Mac」を終了すると発表した。

　「Visual Studio for Mac」の初出は、2017年5月。「Xamarin Studio」がベースになっており、.NET技術でクロスプラットフォーム対応のネイティブアプリ開発をMac環境で行えるのが魅力だった（その後「Xamarin」は「.NET MAUI」へ引き継がれている）。

　2022年5月に登場した「Visual Studio 2022 for Mac」はmacOSネイティブのユーザーインターフェイスで構築されており、デザイン性と操作性が大きく向上。Windows版との操作性統一も図られた。バックエンドは完全に「.NET 6」で動作するよう書き換えられ、パフォーマンスが向上している。

　しかし、それでも普及は芳しくなかったようだ。Mac環境で利用できる開発ツールとしてはすでに「Visual Studio Code」がある。また、「Microsoft Dev Box」をはじめとするクラウドベースのソリューションも普及しつつある。そこで同社は「Visual Studio for Mac」を諦め、これらのツールへ投資を集中することにしたようだ。

　「Visual Studio for Mac」は現行の「Visual Studio 2022 for Mac」v17.6が最終版となり、新しいフレームワーク、ランタイム、言語サポートが追加されることはもはやない。ただし、今後12カ月間は不具合の修正やセキュリティ問題への対処といったアップデートが提供される。サポートの終了は、2024年8月31日。

　同社は代替ソリューションとして「Visual Studio Code」や「Microsoft Dev Box」、仮想マシン上のWindowsで「Visual Studio 2022」を利用することを推奨している。「Visual Studio Code」の場合、最近リリースされた各種拡張機能を用いることでより快適なアプリ開発が行えるだろう。

• 「Unity」拡張機能：「Visual Studio」版に迫るUnity開発の生産性を「Visual Studio Code」で
• 「C# Dev Kit」：C#開発環境を整える新しい拡張機能セット
• 「.NET MAUI」拡張機能：クロスプラットフォーム対応のデスクトップ・モバイルアプリをWindows、macOS、Linuxで開発

　いずれもまだプレビュー版だが、一般公開（GA）に向けて改善を進めるとしている。