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Microsoft、「Visual Studio 2022 for Mac」の一般提供を開始

ネイティブUIと「.NET 6」対応で「史上最速」のMac版VSに。Apple Siliconもサポート

Microsoft、「Visual Studio 2022 for Mac」を公開

 米Microsoftは5月23日(現地時間)、「Visual Studio 2022 for Mac」(v17.0)の一般提供を開始した。昨年9月に初めてのプレビュー版がリリースされて以降、8カ月にわてってテストが続けられていたが、ようやく正式版にこぎつけた格好だ。Windows版の「Visual Studio 2022」は、昨年11月より正式提供されている。

 Mac版「Visual Studio 2022」はmacOSネイティブのユーザーインターフェイスで構築されており、デザイン性と操作性が大きく向上。バックエンドは完全に「.NET 6」で動作するよう書き換えられた。

 その最大のメリットは、動作速度と応答性の向上だ。とくに「.NET 6」の採用でApple Silicon(ARM64)プロセッサーにネイティブ対応したことは大きく、大規模なソリューションを開く処理は「Visual Studio 2019 for Mac」と比べて最大50%も高速化されているという。

 また、ハイコントラストモードや「VoiceOver」といったOSのアクセシビリティ機能と連携できるようになったり、ライト・ダークのテーマ設定がOSと同期するようになったのも、ネイティブUI化によるメリット。IDEのメニューと用語もWindows版との共通化が図られており、Windows/Mac環境を行き来しなければならない開発者に優しい設計となっている。

 開発関連では、「.NET 6」と「C# 10」を用いたアプリケーションの構築に対応したことなどがトピック。「Azure Functions」v4もサポートされているため、「.NET 6」でサーバーレスアプリケーションを開発することもできる。「.NET MAUI」はまだサポートされていないが、v17.0正式版と同時リリースされたプレビューブランチでは利用できるようになっており、iOS、Android、macOSアプリのクロスプラットフォーム開発が可能だ。

 そのほかにも、正式版のリリースにあたり、Windows版「Visual Studio 2022」の機能の一部が移植されているとのこと。「Git」の変更ウィンドウ、ツールウィンドウのドラッグ&ドロップ、サブワードナビゲーションといった使い慣れた機能がMacでも利用できる。

ツールウィンドウのドラッグ&ドロップなどにも対応

 Mac版「Visual Studio 2022」は現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。対応OSは「macOS Catalina 10.15」以降となっている。