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「Visual Studio 2022」が一般公開 ~64bit化された初めての「Visual Studio」
「ホット リロード」や行全体の「IntelliCode」補完で武装、さらなる開発効率を実現
2021年11月9日 14:06
米Microsoftは11月8日(現地時間)、「Visual Studio 2022」を一般公開した(v1.7.0)。64bit化された初めての「Visual Studio」となる。
「Visual Studio 2022」は、同社の統合開発環境「Visual Studio」の最新版。メインのプロセス(devenv.exe)が64bit化されたのが最大の特徴で、メモリー不足などで開発環境がクラッシュする心配が減り、パフォーマンスと安定性の向上が期待できる。とくに大規模なプロジェクトでは効果を体感できるはずだ。
また、「Visual Studio 2022」には「.NET 6」のソフトウェア開発キット(SDK)が含まれており、「C# 10」や「F# 6」といった最新の言語機能が利用可能。
開発面では「ホット リロード」がサポートされ、マネージド.NETアプリとネイティブC++アプリの両方で利用できるようになった。これは「Visual Studio 2019」で始めてプレビューされた機能で、コードの変更をそのまま実行中のアプリに反映させる。コードを編集するたびにアプリのリビルドや再起動する必要がなくなり、コーディングとデバッグのサイクルをスムーズに行うことができるのが利点だ。
この機能は「Visual Studio 2022」と「.NET 6」の組み合わせで利用するのが理想で、当初は「Visual Studio 2022」専用の機能になるはずだったが、ユーザーの反発が根強く、「.NET 6」のCLIツールでもサポートされることになった。また、当初のリリースではC++をサポートする予定はなかったが、「Visual Studio 2022」ではC++のホットリロードも利用できるようになっている。
「Visual Studio 2022」におけるもう一つの目玉は、AI技術ベースのコーディング支援機能「IntelliCode」の拡張だ。「Visual Studio 2022」の「IntelliCode」は行全体の補完に対応しており、[Tab]キーを2連打するだけで開発者が入力しようと思っていたコードを予測して提案・入力を完了してくれる。
そのほかにも、LinuxコンテナーやWSL、SSH接続を利用したリモートデバッグの実験的プレビュー、信頼されていないコードをIDEで開こうとした際の警告(初期状態無効)などがサポートされた。アイコンの刷新をはじめとするテーマ・UIデザインの改善も行われている。
Windows版「Visual Studio 2022」v1.7.0は現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。エディションは「Community」、「Pro」、「Enterprise」の3つで、「Community」ならば無償で利用できる(PC250台超、または年間収入100万米ドル超のエンタープライズ組織では利用不可。PC5台まで)。
今後の開発は、安定版の「Current」(v1.7.0.x)と、次期バージョンのテスト版「Preview」(v1.7.1.x)の2本立てて行われる。「Current」版は新しいマイナーアップデートが出るたびにアップデートする必要があるが、「Current」の偶数マイナーバージョンが「LTSC」(長期サービスリリースチャネル)として18カ月サポートされるので、頻繁なアップデートを望まない場合はそれを利用するとよい。
なお、Mac版「Visual Studio 2022」は現在「Preview 3」の段階にある。正式リリースまでにはApple M1がネイティブサポートされるとのこと。