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「Visual Studio 2022」v17.7が公開 ~コピペによるインデント崩れを自動修正、待望のDiff機能も

ゲームエンジン「Unreal」への対応も強化

「Visual Studio 2022」v17.7

 米Microsoftは8月8日(現地時間)、統合開発環境「Visual Studio 2022」の最新版v17.7を公開した。本バージョンでも多くの改善が行われている。

ファイルの比較

 まず、待望のファイル比較機能が導入された。ソリューションエクスプローラーでファイルを選択し、右クリックメニューの[比較する]コマンドを実行すると、ファイルの選択ダイアログが現れる。そこで2つ目のファイルを選択すると、双方の差分(Diff)をチェックすることが可能。

 [Ctrl]キーを押しながら2つのファイルを選択し、[選択したものを比較]コマンドを利用してもよい。

インデントのコピー

 次に、「Visual Studio」でコードをクリップボードへコピーし、ほかのアプリケーションへ貼り付ける際、適切にインデントされるようになった。コードをコピー&ペーストする際にありがちなインデント崩れが自動で修正されるので、貼り付け後にインデントを修正する手間が省ける。

[F5]キーによるデバッグの高速化

 「Visual Studio 2022」v17.7では[F5]キーを押したときの処理が最適化され、デバッガーとプロセスの起動にかかる時間が5~10%改善された。プログラムデータベース(PDB)ファイルの最適化も行われており、「Unreal」プロジェクトのデバッグまでにかかる時間も21%短縮されているという。

[F5]キーによるデバッグが快適に

 そのほかにも、オールインワン検索の応答性、「フォルダーを指定して検索」のパフォーマンス、C#スペルチェッカーのメモリ消費量なども改善されており、全体的なパフォーマンスが向上している。

ゲームエンジン「Unreal」への対応強化

 前述のデバッグまでのパフォーマンス以外にも、ゲームエンジン「Unreal」をターゲットとした改善がいくつか行われている。

  • 「Unreal Engine」プロジェクトでのC++ IntelliSenseを最適化
  • 「Unreal Engine」マクロに特有のインデント規則を使用するオプションを追加
  • 「Unreal Engine」の命名規則チェッカー
  • 新しい[Blueprint Find All References]コマンド。最新バージョンのUnreal Engineプラグイン「Visual Studio Integration Tool」が必要
「Unreal Engine」の命名規則チェッカー

そのほかの変更

 そのほかにも、マルチブランチ「Git」グラフ、新しい「GitHub Actions」を作成する機能、並列スタックフィルタリング、.NET外部ソースデバッグの強化、CPU使用率ツールの改善などが行われた。C#開発やASP.NET開発でも生産性の向上が図られている。

マルチブランチ「Git」グラフ

 また、Linux組み込みワークロードでは「WSL」のワンクリックダウンロードで環境の構築が簡単になり、リモートファイルエクスプローラーもアップデートされた。標準ユーザーで「Visual Studio」を更新・変更する機能、すべてのユーザー設定を保持したままロールバックする機能などにより、管理も以前より容易になった。

 「Visual Studio 2022」は現在、「visualstudio.microsoft.com」からダウンロード可能。大規模チーム向けの「Enterprise」、小規模チーム向けの「Professional」、学生・入門者・オープンソース貢献者向けの「Community」といった3つのエディションが用意されており、エンタープライズ組織(PCが250台超または年間収入が100万米ドル超)でなければ「Community」版は無償で利用できる。