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「Visual Studio 2022」v17.6が公開 ~大規模プロジェクトで劇的な性能向上

「Visual Studio Code」で人気のスティッキー(固定)スクロールも標準搭載

「Visual Studio 2022」v17.6

 米Microsoftは5月16日(現地時間)、統合開発環境「Visual Studio 2022」の最新版v17.6を公開した。パフォーマンスの改善と生産性の向上、開発の合理化などを実現したマイナーアップデートとなっている。

 まずパフォーマンス面では、ソリューションを開いたり閉じたりする処理やソリューションフィルターで大規模な改良が行われた。とくに「Chromium」のような大規模プロジェクトには効果的で、劇的な改善が見込めるという。

ソリューションを開いたり閉じたりする処理で劇的なパフォーマンスアップ

 また、「Git」の履歴機能でも、履歴が長くコミット頻度が低いリポジトリでファイルやフォルダーの読み込みが高速化された。

 ユーザーインターフェイス関連では、v17.5で導入されたオールインワン検索をアップデート。加えて、括弧のペアを色分けする機能や、「Visual Studio Code」で人気のスティッキー(固定)スクロールもエディターで利用できるようになった。

括弧のペアを色分け

 さらに、スペルチェッカーがC#、C++、およびMarkdownを新たにサポート。メソッド名や変数名、文字列などで辞書にない単語が用いられたときにヒントが表示され、[クイック アクション]で簡単に修正できる。このスペル辞書はプログラミング用途向けにチューニングされた特別製で、「HelloWorld」(パスカルケース)や「helloworld」でも意図した通りに単語を認識し、誤りがあれば指摘してくれる。

 そのほかにも、本リリースでは「IntelliCode」の改善やC++機能のサポート拡充、ブレークポイントグループへの対応、「Unreal」エンジンログビューワーの追加などが行われている。.NET リモート デバッグやVisual Studio プロファイラー、「Git」のマージダイアログも強化された。

 なお、本バージョンは偶数バージョンとなるため、長期サービス(LTS)リリースに指定されている。「Enterprise」もしくは「Professional」エディションであれば、チャネルを「Current」から「LTSC」に切り替えることで18カ月間、v17.6系を使い続けることが可能だ。

 「Visual Studio 2022」は現在、「visualstudio.microsoft.com」からダウンロード可能。大規模チーム向けの「Enterprise」、小規模チーム向けの「Professional」、学生・入門者・オープンソース貢献者向けの「Community」といった3つのエディションが用意されており、エンタープライズ組織(PCが250台超または年間収入が100万米ドル超)でなければ「Community」版は無償で利用できる。