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Microsoftが開発者向け全部入りアプリ「Dev Home」を発表 ~ReFSベースの「Dev Drive」も

開発デバイスの環境構築から「GitHub」ワークフローの監視・管理までを一元的に

開発者向けのダッシュボードアプリ「Dev Home」

 米Microsoftは5月23日(現地時間)、開発者向けのダッシュボードアプリ「Dev Home」を発表した。「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「MIT」。現在、「Microsoft Store」などから無償でダウンロードできる。

 「Dev Home」はデバイスのセットアップからリポジトリのクローン、イシューやプルリクエストの確認・管理までを一元的に行えるコントロールセンターアプリ。著名な統合開発環境(IDE)やコードエディター、開発者キット(SDK)、ツールチェーンなどをまとめてインストールできるほか、「GitHub」へ接続するための拡張機能(プレビュー)が内蔵されており、ダッシュボードにウィジェットを追加することで開発のワークフロー全体を一目で把握できる。CPUやメモリ、ネットワークトラフィックを可視化するウィジェットも用意されているので、開発デバイスの状態を把握することも可能。

デバイスのセットアップ、ワークフローを一目で把握できるダッシュボード、生産性向上のためのシステム設定の提案などを行うオールインワンアプリ
著名な開発ツール・ライブラリをまとめてインストール

 「Dev Home」はオープンソースプロジェクトなので、改善点や要望があればプルリクエストを送ることができる。また、ユーザーが拡張機能を開発することも可能で、将来的には「GitLab」や「Bitbucket」への対応も期待できるだろう。

Introducing Dev Home

 また、ソフトウェア開発向けの新しいトレージ ボリューム形式「Dev Drive」も発表された。

 「Dev Drive」はReFSファイルシステムがベースになっており、大規模なリポジトリの操作に耐えうるスケーラビリティと、破損に対する高い回復性を備える。また、一般にセキュリティとパフォーマンスはトレードオフの関係にあるが、「Microsoft Defender」ウイルス対策の新しいパフォーマンスモードを採用することでそのバランスをとっている。同社によると、ファイルの読み書き(I/O)では一般の「Windows 11」システムより最大30%ほどビルドのパフォーマンス改善が見込めるという。

 「Dev Drive」は、まず「Windows Insider Preview」ビルドでテストされる。ボリュームは、OSの「設定」アプリから作成可能。また、「Dev Home」で環境構築する際にセットアップすることもできる。

ソフトウェア開発向けの新しいトレージ ボリューム形式「Dev Drive」

 なお、このボリュームはあくまでもリポジトリやパッケージキャッシュ、ビルド出力と中間ファイルを保管することが想定されており、統合開発環境やSDKの配置は推奨されていない。ましてや一般のユーザーファイルを置いておくための場所ではない点には注意したい。システム要件は8GB以上のメモリ(推奨は16GB)、50GBの空きディスク容量。SKUに制限はない。

 そのほかにも、開発者向けカンファレンス「Build 2023」ではパッケージ管理システム「Windows Package Manager」(winget)で開発デバイスの環境を構築する技術や、AIを用いた開発支援システム「GitHub Copilot X」がお披露目された。AIやクラウド開発のための新技術、改善も数多くアナウンスされている。

ソフトウェア情報

「Dev Home」
【著作権者】
Microsoft
【対応OS】
Windows 11
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.137.141.0(23/05/24)