ニュース
クラウド開発環境からPowerToysツールまで ~開発者に必要なすべてを揃えた「Dev Home」v0.14
拡張子の表示、タスクボタンからのプロセス終了といったシェルカスタマイズも統合
2024年5月27日 16:51
米Microsoftは5月23日(現地時間)、「Dev Home」v0.14を公開した。「Dev Home」(開発ホーム)は、開発者向けのダッシュボードアプリ。初回リリースから1周年を迎え、ようやく機能が充実しつつある。
「Dev Home」の目的は、開発者の生産性をさらに高めることだ。OSにデフォルトで含まれており(対応は「Windows 11 バージョン 21H2」以降)、利用中のWindowsデバイスを数クリックで開発用にセットアップしたり、アプリの開発に必要な機能を集約して提供したりといった“ワンストップショップ”(すべてがそろうお店)を目指して開発が進められている。今回のアップデートでは「PowerToys」ユーティリティの一部を取り込んだほか、リモート開発環境を一元管理できる「環境」が導入されている。
「PowerToys」の開発者向けユーティリティを追加
パワーユーザー向けのユーティリティパッケージ「PowerToys」には、アプリ開発にも使える便利なツールが多数含まれている。「Dev Home」v0.14では、その一部が「Dev Home」からもアクセスできるようになった。
- ホスト ファイル エディター(Hosts File Editor):OSの「hosts」ファイルを編集するGUIツール
- レジストリ プレビュー(Registry Preview):レジストリファイル(.REG)を適用すると、どのキーが追加・削除されるか、値がどのように書き換わるかをわかりやすく表示
- 環境変数(Environment Variables):環境変数を編集できるGUIツール。用途や目的ごとに複数のプロファイルを作成できるのが特徴
[環境]が実験的機能を卒業
新設の[環境]はリモート開発環境の作成、管理、起動、設定などを一元的に行えるページで、今回のアップデートで実験的機能を卒業し、プレビュー機能として提供されるようになった。
[環境]ページは現在のところ、「Hyper-V」の仮想マシン(VM)や「Windows サンドボックス」、共同開発(Share Dev)に最適化されたクラウドベースのワークステーション「Microsoft Dev Box」をサポートするのみだが、拡張可能なオープンソースとなっており、サードパーディーが対応すればより便利になるだろう。
マシン設定のエクスポート
「Dev Home」は、マシン設定を「WinGet Config」(WinGet configuration)構成ファイルとしてエクスポートできる。「winget configure」コマンドでその構成ファイルを指定すればデバイスを開発用として正確にセットアップできるため、開発環境の構築が容易になる。開発チームと共有して、デバイス構成に一貫性を持たせたい場合にも役立つだろう。
Windows のカスタマイズ
[Windows のカスタマイズ]は、アプリ開発者向けのシェルカスタマイズオプションを集約したページだ。たとえば「エクスプローラー」でファイルの拡張子を表示したり、タイトルバーにフルパスを表示したり、タスクボタンの右クリックメニュー[タスクを終了する]を有効にしたりといったオプションにすばやくアクセスできる。
Quickstart Playground(実験的機能)
実験的機能「Quickstart Playground」は、生成AIを利用して開発プロジェクトを作成し、コンテナー化できるようにする仕組み。「Playground」(遊び場)という名の通り、万が一壊してしまっても日頃利用するデスクトップ環境に影響は及ばないコンテナーになっているので、思う存分最新のAIモデルを試すことができる。
ブロッククローニング
昨年「Dev Home」とともにアナウンスされたアプリ開発向けドライブ「Dev Drive」には「ブロッククローニング」と呼ばれる技術が導入され、大容量ファイルのコピー操作が瞬時に行えるようになった。
この機能は「Windows 11 バージョン 24H2」でさらに高速化されるとのことで、巨大なリポジトリもすばやく複製(クローン)できるようになるだろう。
ソフトウェア情報
- 「Dev Home Preview」
- 【著作権者】
- Microsoft
- 【対応OS】
- Windows 11 バージョン 21H2(build 22000)およびそれ以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 0.14(24/05/23)