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ファイルのロック解除とホスト編集ツールを追加した「PowerToys 0.64」が公開

設定をバックアップ・復元する機能で気軽にオプションの変更を試せるように

「PowerToys」v0.64.0が利用可能に

 米Microsoftは11月3日(日本時間)、「Microsoft PowerToys」の最新安定版v0.64.0を公開した。「PowerToys 0.64」リリースサイクルでは、「File Locksmith」と「Hosts File Editor」という新しいツールが追加されている。

なぜかファイルを削除できない……を解消する「File Locksmith」

別のプログラム(プロセス)がフォルダー・ファイルを開いている(ロックしている)ため、ファイル操作を完了できないという警告

 「File Locksmith」は、指定されたファイル・フォルダーを現在使用しているプロセスを確認するユーティリティ。ファイルが削除できない場合に、そのファイルをロックしているプロセスを突き止め、必要であれば終了させてファイルを削除できる。

指定されたファイル・フォルダーを現在使用しているプロセスを確認するユーティリティ「File Locksmith」

 このツールは、ファイル・フォルダーの右クリックメニュー(コンテキストメニュー)から利用可能。Windows 11の場合は、クラシックなコンテキストメニューにアクセスする必要があるので注意したい。

 [このファイルは何で使用していますか?]コマンドを実行すると、ファイルをロックしているプロセスが一覧され、折り畳み表示を展開するとその詳細を確認できる。ボタンをクリックするだけでプロセスを終了させることも可能だ。

[このファイルは何で使用していますか?]コマンドを実行
ファイルをロックしているプロセスが一覧。ファイルが削除できないのにロックプロセスが見当たらない場合は、プロセス一覧画面右上の「盾」アイコンをクリック

 なお、管理者権限で動作しているプロセスを表示するには、「File Locksmith」にも管理者権限を付与する必要がある。ファイルが削除できないのにロックプロセスが見当たらない場合は、プロセス一覧画面右上の「盾」型アイコンをクリックし、「File Locksmith」を管理者権限へ昇格させて調査を進めるとよいだろう。

hostsファイルを編集するGUIツール「Hosts File Editor」

OSの「hosts」ファイルを編集するGUIツール「Hosts File Editor」

 「Hosts File Editor」は、OSの「hosts」ファイルを編集するGUIツール。このファイルにはIPアドレスとドメイン名がセットになって記述されており、DNSサーバーに問い合わせることなくドメイン名でIPアドレスへアクセスできる。Windowsにおけるパスは以下の通りで、編集には管理者権限が必要。

C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts

 一般的には編集の必要のないファイルだが、他の機器に影響を与えることなく、当該PCでだけ指定したドメイン名から特定のIPアドレスへアクセスしたい場合や、Webサーバーの新設・移転の際のテストなどに役立つため、ときどき編集することもあるだろう。そのときにこうしたGUI編集ツールは役立つはずだ。

フィルタリング機能も完備

そのほかの機能

 そのほかにも、「PowerToys」の設定をバックアップ・復元(リストア)する機能が追加された。新しいオプション、使ったことのないオプションを試してみたいときに活用するとよい。もし新しい設定が気に入らなくても、変更前をバックアップしてさえいれば、リストア機能で使い慣れた設定へ戻すことができる。

「PowerToys」の設定をバックアップ・復元する機能が追加

 一方で、「ビデオ会議のミュート」は廃止されることになった。設定画面には廃止を案内するバナーが追加されている。

 「PowerToys」は、パワーユーザー向けに提供されているMicrosoft公式のシステムユーティリティ群。Windows 95/XP時代盛んに行われていた取り組みをWindows 10/11で、しかもオープンソースで復活させたものだ。ウィンドウを決まった位置にすばやく配置できる「FancyZone」、ファイル名を一括変更できるシェル拡張「PowerRename」、[Windows]キーの長押しでショートカットのGUIヘルプを参照できる「Shortcut Guide」など、「OSにも標準で備わっていればいいのに」と感じられる便利な機能が多く収録されている。

 対応OSは「Windows 10 バージョン 1903」以降で、現在「GitHub」のプロジェクトページから無償でダウンロード可能。Windows 10/11であれば「Microsoft Store」からも入手できる。すでに利用中の場合は、アプリ内蔵のアップデーターで更新可能だ。

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ソフトウェア情報

「PowerToys」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 10 バージョン 1903以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.64.0(22/11/03)