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「PowerToys」の「ビデオ会議のミュート」が開発停止、将来バージョンでは削除も
突然のアナウンスに議論が紛糾
2022年11月8日 07:55
Microsoftがパワーユーザー向けに提供しているオープンソースの生産性向上ユーティリティパック「PowerToys」から、「ビデオ会議のミュート」(VCM)がレガシー機能になることが明らかになった。「PowerToys 0.64」にいずれ利用できなくなることを案内したバナーが追加されている。
「ビデオ会議のミュート」は、キーボードショートカットでマイク・カメラのON/OFFを切り替えるユーティリティ。システムレベルで動作し、どのオンラインミーティングアプリを利用していても同じキーボードショートカットで操作できるのがメリットだ。
しかし、「Windows 11 バージョン 22H2」では[Windows]+[Alt]+[K]キーでミーティングアプリのマイクをミュート(無音化)することが可能。まだ対応アプリが「Microsoft Teams」(会社と学校向け)程度しかないのがネックだが、APIは解放されており、他のアプリでも対応が進むことが期待されている。この機能が普及すれば、「ビデオ会議のミュート」の必要性は低下するだろう。
加えて、「ビデオ会議のミュート」はプルリクエスト(コードの変更要求)が少なく、あまり開発が活発でなかったことも要因の1つとされている。
レガシー機能となった「ビデオ会議のミュート」は積極的な新機能の開発はもはや行われず、活動は不具合修正などのメンテナンスのみに限られる。「PowerToys 0.67」を目途に機能の削除も検討されているようだ。
しかし、この提案(イシュー)では一方で以下の問題も指摘されており、時期尚早との声も根強い。
- Windows 10では[Windows]+[Alt]+[K]キーが利用できない
- [Windows]+[Alt]+[K]キーではカメラまで無効化することはできない
- [Windows]+[Alt]+[K]キーの対応アプリはまだ少ない
当面の間はレガシー機能として「ビデオ会議のミュート」を維持してほしいという声や、「PowerToys」から切り離して単体プロジェクトとして開発を継続すべきといった声も寄せられている。今後の動向に注目したい。
「Microsoft PowerToys」は「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「MIT License」。現在、「GitHub」のプロジェクトページや「Microsoft Store」から無償でダウンロードできる。対応OSはWindows 11、Windows 10 バージョン 1903およびそれ以降。64bit版のみの提供となっているので注意したい。