生産性を上げる!PowerToys活用術
Web会議ツールのミュート操作を統一したい……カメラとマイクをキー一発でON/OFFする「ビデオ会議のミュート」
システムレベルで信号をブロック。仮想カメラの扱いにはちょっと注意
2022年6月3日 06:45
Microsoftがパワーユーザー向けに提供している生産性向上ユーティリティパック「PowerToys」の機能を紹介する本連載。今回はオンラインミーティングで役立つ「ビデオ会議のミュート」(Video Conference Mute)を取り上げる。
なお、本稿は「PowerToys 0.58」を元に執筆している。
オンラインミーティングで役立つ「ビデオ会議のミュート」
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響ですっかり身近になったオンライン会議だが、ときどき困るのが相手によって異なるソリューションを指定されるところだ。「Zoom」、「Google Meet」、「Microsoft Teams」……それぞれにユーザーインターフェイスが異なるため、毎度操作に戸惑う人もいるのではないだろうか。各サービス特有の機能ならばともかく、せめて基本的なビデオと音声のコントロールぐらいは、操作を統一してほしいところだ。
そこで利用を検討してほしいのが、「PowerToys」に収録されている「ビデオ会議のミュート」だ。これを利用すると、システムレベルでマイク・カメラのON/OFFを切り替えることが可能。キーボードショートカットを利用するのでそのキーコンビネーションを覚える手間はあるが、どのオンラインミーティングアプリでも統一した操作で対応できるのはありがたいところだ。
また、アプリ側でマイクとカメラをOFFにしていても相手に伝えないだけで、実は外部にオーディオ・ビデオを送出しているサービスもあるようだが、この機能で無効化してしまえばカメラに目隠しているのと同じ。そのため、プライバシーを心配する必要はなくなる。
本機能は初期状態で無効化されている。利用するには、設定画面の[ビデオ会議のミュート]画面で機能を明示的に有効化しなければならない。また、「ビデオ会議のミュート」を利用する際は「PowerToys」が管理者権限で動作していなければならない。管理者権限ではない場合は、あらかじめ設定画面の[全般]セクションから「PowerToys」を管理者権限で起動しなおす必要がある。ついでに、「PowerToys」をシステムのスタートアップ時に起動しておくように設定しておくのがお勧めだ。
「ビデオ会議のミュート」機能の既定ショートカットキーは、以下の通り。気に入らなければ変更も可能だが、他のキーボードショートカットとバッティングしないように注意したい。
- [Windows]+[Shift]+[Q]キー:オーディオとビデオ両方のON/OFFを同時に切り替え
- [Windows]+[Shift]+[A]キー:マイクのみON/OFFを切り替え
- [Windows]+[Shift]+[O]キー:カメラのみON/OFFを切り替え
キーボードショートカットでマイク・カメラのON/OFFを切り替えると、デスクトップ右上に小さなインジケーターツールバーが表示され、現在のマイクとカメラの情報を示してくれる。
初期状態ではメインディスプレイの右上に表示する設定になっているが、すべてのモニターに表示したり、表示する位置を選ぶこともできる。
なお、「ビデオ会議のミュート」機能はマイクのコントロールにOSのグローバル音声コントロールAPIを利用するが、カメラのコントロールには仮想カメラドライバー(Powertoys VCM)を利用する。カメラをミュートにすると、アプリと物理カメラを中継する仮想カメラで映像をブロックする仕組みだ。
そのため、オンラインミーティングアプリで「ビデオ会議のミュート」を利用する際は、ビデオのソース(カメラ)が物理カメラではなく仮想カメラになっていなければらならない(マイクは設定不要)ので注意。仮想カメラに対応していない一部のオンラインミーティングサービスでは利用できない。
「Microsoft PowerToys」は「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「MIT License」。現在、「GitHub」のプロジェクトページや「Microsoft Store」から無償でダウンロードできる。対応OSはWindows 11、Windows 10 バージョン 1903およびそれ以降。64bit版のみの提供となっているので注意したい。