生産性を上げる!PowerToys活用術

ウィンドウが他のアプリに隠れちゃうのが不便……そんなときは「常に手前に表示」

ホットキーで手軽に「ピン留め」、枠や効果音がつくのもわかりやすい

パワーユーザー向けの生産性向上ユーティリティ群「Microsoft PowerToys」

 Microsoftがパワーユーザー向けに提供している生産性向上ユーティリティパック「PowerToys」の機能を紹介する本連載。今回はv0.53.1から搭載されている「常に手前に表示」(Always on top)を取り上げる。

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 なお、本稿は「PowerToys」v0.56.1を元に執筆している。

ホットキーだけでウィンドウを手軽に「ピン留め」できる「常に手前に表示」

 ファイルをフォルダーへ移動させる際、目的の「エクスプローラー」ウィンドウが他のウィンドウに隠れてしまい、ドラッグできないといった経験はないだろうか。Webコンテンツを参照しながらレポートを書くとき、電卓アプリで計算しながら数値をメモしたいとき、他の作業をしていても株価などの情報にはリアルタイムで接していたい――そんなときに、ウィンドウをデスクトップの最前面に固定表示できれば便利だろう。

ホットキーだけでウィンドウを手軽に「ピン留め」できる「常に手前に表示」

 「常に手前に表示」は、この動作をホットキーだけで手軽にON/OFFできる機能だ。似たような機能を実現したアプリはほかにも数多くあるが、「PowerToys」の一部として利用できるのは何かと都合がよい。

【「PowerToys」の「常に手前に表示」機能でウィンドウをピン留め - 窓の杜】

 最前面に固定表示された状態は「ピン留め」とも呼ばれている。「PowerToys」の場合、ウィンドウのピン留めは[Windows]+[Ctrl]+[T]キーでON/OFFできるようになっており、ONの場合はウィンドウの枠が青く縁どられる。大変わかりやすいが、気に入らないのであれば枠の太さや色を調節したり、枠そのものを無効化することも可能。ホットキーも変更できる。ON/OFFの際は効果音が鳴るが、これもコントロール可能だ。

「常に手前に表示」の設定画面。ホットキーやウィンドウの枠、効果音の有無はカスタマイズが可能

 ちなみに、複数のウィンドウをピン留めすることもできる。ピン留めされたウィンドウは、フォーカスがある側が上となる。

【「PowerToys」の「常に手前に表示」機能で複数のウィンドウをピン留め - 窓の杜】

 [Windows]、[Ctrl]、[T]の各キーを用いるキーボードショートカットは少なくないため、誤動作が心配な場合は「常に手前に表示」機能そのものを無効化したり、ホットキーの組み合わせを変更しておくとよい。また、特定のウィンドウでのみ機能しないよう除外アプリを指定することもできる。たとえば、「メモ帳」と「電卓」でだけ「常に手前に表示」が機能しないようにするには、[除外するアプリ]セクションに以下のように記述すればよい。ホットキーを押してもウィンドウはピン留めされないはずだ。

notepad.exe
calc.exe
[除外するアプリ]セクション

 「Microsoft PowerToys」は「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「MIT License」。現在、「GitHub」のプロジェクトページや「Microsoft Store」から無償でダウンロードできる。対応OSはWindows 11、Windows 10 バージョン 1903およびそれ以降。64bit版のみの提供となっているので注意したい。