生産性を上げる!PowerToys活用術
ちょっとだけPCをつけっぱなしにしておきたい……そんな時に役立つ「Awake」
OSの電源設定に干渉しないところが魅力
2022年2月11日 06:55
OSに求められる機能は用途や利用形態によって千差万別であり、時代の移り変わりによっても当然異なってくる。しかし、OSがそれに逐一対応するのは難しい。
これはOSのコードベースが巨大で、既存機能を損なうことなく新機能を追加するのは難しいということはもちろん、一度追加してユーザーに広まった機能をあとから削除と混乱を招くため、OSの肥大化を避けるためには取捨選択が強いられることも一因としてある。自然、OSの開発は保守的にならざるを得ないし、かゆいところに手が届かないところも多くなっていくだろう。
そうした問題を解決すべく開発されたのが、主にパワーユーザーを対象に提供されているのが「Microsoft PowerToys」だ。「PowerToys」にはさまざまな生産性向上ユーティリティが含まれており、ちょっとした日々の不便を解消したり、OSの使い勝手を向上させるのに大変役立つ。
今回はそのなかでも、v0.41.2から搭載されている「Awake」を紹介することにしよう。
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なお、本稿は「PowerToys」v0.53.3を元に執筆している。
PCを起動したままにしておけるツール「Awake」
時間のかかる処理をPCに任せていたのに省電力機能が働いて、途中でOSがスリープしてしまったことはないだろうか。処理の経過を監視していたのに、モニターの電源が落とされてしまうのも困る。
そのようなときはOSの電源設定(「設定」アプリの[システム]-[電源]セクション)で画面とスリープの設定を変更すればよいのだが、アクセスするのが少し面倒くさく思われる。変更した設定をあとで戻すのを忘れてしまえば、電力の浪費にもつながりかねない。
そこでお勧めしたいのが、有効化するだけでPCを一時的に起動したままにしておけるツール「Awake」だ。このツールはバッググラウンドスレッドを生成し、「ユーザーが利用中である」ことをOSに知らせる。OSの画面とスリープの設定を変更したり、カスタム電源プランの設定に影響されることがないため、気軽に利用できるのが利点だ。OSがどのような設定になっていても関係なく機能する。
実は、「Awake」はコマンドラインでも利用できるようになっている。詳細は割愛するが、
C:¥Program Files¥PowerToys¥modules¥Awake
にある「PowerToys.Awake.exe」を実行すると、PCの終了を防止するバッググラウンドスレッドが生成される。通常はこの機能を使う機会はないと思われるが、スクリプトでPCを起動させたままにしておきたい場合などには使えるかもしれない。
本機能を利用するには、まず「PowerToys」の設定画面の[Awake]セクションを開く。続いて[Awake を有効にする]というトグルスイッチをONにすると、タスクバーの通知エリア(タスクトレイ)にコーヒーカップアイコンが追加される。
「Awake」のON/OFFを繰り返していると、ONにしても通知トレイに「Awake」のアイコンが現れなくなることがあるようだ。その場合は、「タスク マネージャー」の詳細画面の[プロセス]タブで「PowerToys.Awake.exe」というプロセスを探し、[タスクの終了]ボタンで強制終了させたのち、再度トグルスイッチを操作すればよい。この問題はすでに報告済みで、いずれ解消するものと思われる。
PCを常時起動モードへ移行させるには、このアイコンを右クリックし、[Mode]-[Mode]-[Keep awake indefinitely]メニューを選択すればよい。モニターの電源を切りたくない場合は[Keep screen on]メニューをクリックして、チェックが入っているかどうかを確認しよう。
さらに、[Keep awake temporarily]メニューからPCを起動しておく時間を指定することも可能。現在のところ、30分、1時間、2時間の3つが選べる。常時起動モードを解除したい場合は、[Mode]-[Off]メニューをクリックすればよい。
「Microsoft PowerToys」は「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「MIT License」。現在、「GitHub」のプロジェクトページや「Microsoft Store」から無償でダウンロードできる。対応OSはWindows 11、Windows 10 バージョン 1903およびそれ以降。64bit版のみの提供となっているので注意したい。