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ARM64版の準備も完了 ~.NET 6/WinUI 3への移行を果たした「PowerToys 0.58」

パワーユーザー向けに提供されているMicrosoft公式のシステムユーティリティ群

「PowerToys」v0.58.0が利用可能に

 米Microsoftは5月4日(日本時間)、「Microsoft PowerToys」の最新安定版v0.58.0を公開した。依存関係のアップグレードとARM64ネイティブビルドに重点を置いたアップデートとなっている。

 本ビルドでは「.NET Core 3.1」を利用する処理がすべて取り除かれ、「.NET 6」で動作するようになった。非推奨となった「WebBrowser」コントロール(Internet Explorer/Trident)も新しい「WebView2」コントロール(Microsoft Edge/Blink)に、「XAML Islands」を利用していた設定画面は「WinUI 3」に置き換えられた。表面的な違いはあまりないが、安定性やパフォーマンスの向上が期待できる。レガシー要素を廃したことで、今後の機能追加も容易になるだろう。

 また、「.NET Core 3.1」依存を取り除き、「.NET 6」への移行を果たしたことで、ARM64へのネイティブ対応も視野に入ってきた。

 ARM64をネイティブサポートする「PowerToys」はまだリリースされていないが、準備はほぼ整っているとのことで、次期バージョン以降での対応に期待がかかる。

ARM64環境で「PowerToys」を動作させた様子。ネイティブ対応に期待

 なお、一部のユーザーから設定画面が開けない問題が報告されているが、これはUACを無効化していることが原因とのこと。UACの無効化はセキュリティの観点からおすすめできないため、有効化しておくことをお勧めする。

 「PowerToys」は、パワーユーザー向けに提供されているMicrosoft公式のシステムユーティリティ群。Windows 95/XP時代盛んに行われていた取り組みをWindows 10/11で、しかもオープンソースで復活させたものだ。ウィンドウを決まった位置にすばやく配置できる「FancyZone」、ファイル名を一括変更できるシェル拡張「PowerRename」、[Windows]キーの長押しでショートカットのGUIヘルプを参照できる「Shortcut Guide」など、「OSにも標準で備わっていればいいのに」と感じられる便利な機能が多く収録されている。

 対応OSは「Windows 10 バージョン 1903」以降で、現在「GitHub」のプロジェクトページから無償でダウンロード可能。Windows 10/11であれば「Microsoft Store」からも入手できる。すでに利用中の場合は、アプリ内蔵のアップデーターで更新可能だ。

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ソフトウェア情報

「PowerToys」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 10 バージョン 1903以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.58.0(22/05/04)