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Microsoft、.NET向け「WebView2」を一般公開 ~ランタイムバージョンの固定にも対応

Win32と.NETの両方で新しい「Microsoft Edge」を組み込んだアプリの開発が可能に

Microsoft、.NET向け「WebView2」を一般公開

 米Microsoftは11月20日(現地時間)、.NET向け「WebView2」の一般公開を発表した。「.NET 5.0」や「.NET Core」、「.NET Framework」(Windows Forms/WPF)をベースとしたアプリケーションに新しい「Microsoft Edge」を組み込むことが可能。現在サポートされているすべてのWindowsで利用できる。

 「WebView2」は、レンダリングエンジンとして「Chromium」ベースの「Microsoft Edge」を用いたWebブラウザーコントロール。Webアプリケーションで使われているコンポーネントを流用したり、共通化できるのがメリットだ。Win32 C/C++向けの「WebView2」は10月にリリースされており、これでWin32と.NETの両方をカバーできるようになった。Windows開発の世界を再統一しようという試み「Project Reunion」がまた一歩進展したというわけだ。

 また、配布モデルとして固定版(Fixed Version)が利用できるようになったことも併せて発表された。

 標準の「WebView2」は、デバイスにインストールされているランタイムを共有する仕組みになっている。これはエバーグリーン(Evergreen)ランタイムとも呼ばれ、システムのストレージを有効活用できるほか、常に最新の機能とセキュリティ修正が適用される点がメリットだ。

 しかし、ランタイムのバージョンアップによりアプリが機能しなくなるのを避けたいというケースもあるだろう。そうしたニーズに応えたのが固定版のランタイムだ。

 固定版ランタイムは、開発者側でアプリが利用するランタイムの厳密にバージョンを管理することができる。アップデートのタイミングは開発者で決めることができるが、自動更新機能が利用できないため、ランタイムの脆弱性への対応などは開発者側の責務となる。

固定版ランタイム。x86/x64に加え、arm64がサポートされる