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新しい「Edge」をアプリに組み込める ~Win32 C/C++向けの「WebView2」が一般公開

対応OSはWindows 7/Server 2008 R2以降。.NET向けや固定バージョンも年内にリリース

「WebView2」で“Room Finder”コンポーネントを共有する様子

 米Microsoftは10月19日(現地時間)、Win32 C/C++向けの「WebView2」の一般公開を発表した。「Chromium」ベースの新しい「Microsoft Edge」をコントロールとしてWin32 C/C++アプリケーションに組み込み、本番環境で利用することができる。「WebView2 SDK」とそのランタイムは今後、「Microsoft Edge」の“Stable”チャネルのアップデートに合わせて更新されるとのこと。

 「WebView2」は、レンダリングエンジンとして「Chromium」ベースの「Microsoft Edge」を用いたWebブラウザーコントロール。Webアプリケーションで使われているコンポーネントを流用したり、共通化できるのがメリットだ。レガシーなWin32とモダンなUWP/XAMLに分断されたWindows開発の世界を再統一しようという試み「Project Reunion」の一角も担う。

 今回はWin32 C/C++向けが一足先にGA(一般リリース)となったが、.NET(WinForms/WPF)も年内にはGAとなる見込み。対応OSはWindows 7/Server 2008 R2以降。「WinUI 3」でもサポートされているので、幅広い環境で利用できるのも強みと言える。

 「WebView2」の配布モデルは、エバーグリーン(Evergreen)版と固定版の2種類が用意される。

 エバーグリーン版はMicrosoftによって自動的に更新されるモードで、最新のWeb標準機能にアクセスできるほか、セキュリティ修正の恩恵も受けられる。また、エバーグリーンランタイムは他の「WebView2」アプリと共有されるため、フットプリントの削減も期待できる。このエバーグリーン版は、本日より利用可能。

 一方、固定バージョンは厳密な互換性が要求されるアプリ向けのモードだ。特定バージョンの「Edge」(WebView2)のコピーがバンドルされるため、「Edge」の自動更新によりアプリが動かなくなったといった事態を未然に防止できる。ただし、アプリのサイズはランタイムの分だけ肥大化する上、セキュリティ修正のためのアップデートなどは開発者側が責任を負うことになる。固定バージョンは現在Win32 C/C++と.NETの両方でプレビューが可能で、2020年末までにはGAとなる予定だ。