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Microsoft、「WebView2」ランタイムをWindows 11に同梱 ~古い環境へのバックポートも進める
WindowsアプリのWebレンダリングエンジンは「Chromium」に統一へ
2021年9月2日 17:23
米Microsoftは8月31日(現地時間)、「WebView2」コントロールのアップデートを発表した。「WebView2」は「Microsoft Edge」をWebコンテンツを表示するための部品としてWindowsアプリで利用できるようにしたもの。Win32 C/C++だけでなく、.NETでも利用できる。
今回のアップデートは、4つの要素からなる。
- 「WebView2」が「Windows App SDK」(旧称:「Project Reunion」)で利用できるように(Public Preview)
- 「WinUI2」に「WebView2」をバックポート。「EdgeHTML」を用いた既存のUWPアプリを「Chromium」へ移行できる(Public Preview、2022年前半リリースが目標)
- 「WebView2」ランタイムがWindows 11に標準搭載。「Microsoft Office」をはじめとする多くのアプリケーションで「WebView2」ランタイムの採用を進める
- 「WebView2」の「Chrome DevTools Protocol」(CDP)ヘルパー拡張をリリース。Webブラウザー内蔵の開発者ツールでデバッグが容易に(Preview)
とくに、「WebView2」ランタイムがWindows 11に標準搭載されるのは魅力。「WebView2」は、ランタイムをアプリに含める「固定バージョン」(Fixed version)と、アプリにランタイムを含めず、OSにインストールされた共有ランタイムを利用する「エバーグリーン」(Evergreen)モードのいずれかを利用できるが、OSにランタイムが含まれればエバーグリーンモードでの配布が容易になる。
また、「WebView2」が古いプラットフォームへバックポートされることで、アプリが利用するWebレンダリングエンジンが「Chromium」へ統一されていくことにも期待したい。「WebView2」は現在、以下のプログラミング環境で利用可能。
- Win32 C/C++
- .NET Framework 4.5 or later
- .NET Core 3.1 or later
- .NET 5
- .NET 6
- WinUI 3.0
また、以下のOSがサポートされている。
- Windows 10
- Windows 10 IoT Enterprise LTSC x32 2019
- Windows 10 IoT Enterprise LTSC x64 2019
- Windows 10 IoT Enterprise 21h1 x64
- Windows 8.1
- Windows 7
- Windows Server 2019
- Windows Server 2016
- Windows Server 2012
- Windows Server 2012 R2
- Windows Server 2008 R2