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Microsoft、Windows 10でも「WebView2」ランタイムの展開を開始

アプリのWebコンポーネントもInternet ExplorerからMicrosoft Edgeへの移行が進む

「Microsoft Outlook」に組み込まれている「WebView2」コントロール

 米Microsoftは6月27日(現地時間)、Windows 10搭載のコンシューマーデバイスでも「WebView2」ランタイムの展開を開始したと発表した。Windows 11にはすでに含まれている

 「WebView2」は、「Microsoft Edge」(Chromium)をアプリに組み込んでWebコンテンツを表示できるようにするコントロール。従来からある「Internet Explorer」ベースの「WebBrowser」コントロールよりもパフォーマンス、セキュリティ、Web標準技術への準拠、他のモダンブラウザーとの互換性の面で優れている。同社は「Internet Explorer」の廃止を段階的に進めており、できるだけ早期の「WebView2」移行が推奨されている。

 しかし、「WebView2」への移行にあたっては、ランタイムがWindows 10に含まれていないことがネックとなっていた。

 ランタイムのない環境で「WebView2」アプリを利用するには、ユーザーがランタイムをインストールするか、アプリに「WebView2」を含める必要がある。前者はセットアップが煩雑になり、エンドユーザーに負担を強いることになる。後者はアプリの配布サイズが膨れ上がる上、「WebView2」のバージョン管理を開発者が行わなければならないというデメリットがある。

 「WebView2」ランタイムが標準でWindows 10に含まれるようになれば、開発者はそれを用いることでアプリのサイズを削減できる。バージョンアップなどのメンテナンスもOS側で行われるため、アプリ開発者の負担は減るだろう。エンドユーザーもわざわざ「WebView2」をインストールしたり、「WebView2」絡みのセットアップトラブルに悩まされずに済む。これにより「WebView2」への移行が一層進むことに期待したい。

 なお、「WebView2」ランタイムの展開は「Windows 10 バージョン 1803」以降の「Home」および「Pro」エディションが対象。企業のIT管理者が管理する「管理対象デバイス」は対象外だ。